2022年10月17日
仕事と育児、家事を両立したい方に適した働き方が、時短勤務(育児時短勤務制度)です。この記事では、時短勤務とはどういった制度なのか、時短勤務のメリットとデメリット、よく似た制度とどこが異なるのかを解説します。
また、2022年10月より社会保険の適用範囲がどのように変更されるのか、家事の時短テクニックなどについても解説しています。育児休業や時短勤務を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
時短勤務(育児短時間勤務制度)とは
時短勤務(育児短時間勤務制度)とはどういった制度なのでしょうか。対象となる方やメリット、デメリットを解説します。
どういった制度か
時短勤務とは育児休業を終え職場へ復帰する際に、就業時間を原則6時間に短縮できるという制度です。2009年に「育児・介護休業法」の改正により法律で定められた制度であり、会社は必ず時短勤務(育児短時間勤務制度)を設けなければなりません。もしも導入できないならば、代替案を設ける必要があります。
時短勤務の対象となる方は
時短勤務の対象となるのは、以下の5つをすべて満たした方です。
- 3歳に満たない子を養育する労働者であること
- 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
- 日々雇用される者でないこと
- 時短勤務が適用される期間に育児休業が適用されていないこと
- 労使協定により適用から除外されていないこと
自分が条件を満たしているかわからない場合には、会社に確認しましょう。
時短勤務のメリット
時短勤務を利用すると、仕事と育児を両立しながらも、時間的な余裕が生まれるため、仕事を続けながら育児の時間の確保が可能です。また、育児をしながら、働いた分の収入を増やすこともできます。
時短勤務のデメリット
就業時間が短くなるため、短縮した分の給与が差し引かれ、フルタイムの就業と比べると、給与・賞与が減少します。どの程度減少するかは会社の規定によるため、気になる場合には確認が必要です。
時短勤務と間違いやすいほかの制度との違い
時短勤務に似た制度はいくつかあり、間違えて認識していることも珍しくありません。どういった部分が異なるのか解説します。
育児休業
育児休業は出産後の一定期間、育児のために休みを取る制度です。期限は原則として子どもが1歳になるまでです。育児休業は法的な義務があるため、会社は導入しなければなりません。時短勤務と育児休業との大きな違いは、時短勤務は1日に6時間働き、育児休業は期間中に働かないことです。
短時間正社員制度
短時間正社員制度は、時短勤務と同様に勤務時間や勤務日数を短くするものです。就業時間や勤務日数をフルタイムの従業員より短くし、さまざまな人材に活躍してもらうための制度です。時短勤務との違いは、対象とされる条件が育児に限らないことと、短時間正社員制度の導入は会社の任意の制度であり、法的な義務がないことが挙げられます。
時短勤務中の給与はどうなる?
時短勤務中は、どのくらい給与が下がるのでしょうか。有給休暇や社会保険料についても合わせて解説します。
基本給は?
基本給は、フルタイムの就業時間を基本として計算されます。時短勤務中は実労働時間が少なくなるため、給与額は減少します。たとえば、もともと8時間労働の方が6時間勤務になれば、単純計算でフルタイムに比べて25%少なくなる計算です。ただし、フルタイム就業時と仕事内容や仕事量が変わらないときは、会社に交渉してみるとよいでしょう。
残業代は?
時短勤務中は原則として残業が制限され、残業代は0円になります。働く側が残業の免除を請求した場合、事業主は残業を指示できなくなります。そのため、残業が多い職場の場合、給与が大幅に減ったように感じることもあるでしょう。働く側が請求せず残業した場合には、通常の残業と同様に就業した時間分の給与が支払われます。
賞与(ボーナス)は?
賞与は労働基準法に定めがなく、各事業主が金額を決定します。会社によって制度が異なるため、事前に就業規則にどのように記載されているか、確認しておくとよいでしょう。一般的には、月額給与をもとに賞与額を決定したり、就業時間に比例したりするため、労働時間を減らした分目減りしてしまうことが多いようです。
有給休暇は?
時短勤務中であっても、有給休暇は付与されますが、日数は就業日数・時間によって異なります。具体的には、週5日勤務であれば、フルタイムの正社員と同じ日数が付与され、週4日以下であったり、就業時間が週30時間未満であったりする場合は、パートタイムやアルバイトと同じように就業日数に応じた日数が付与されます。
社会保険料は?
社会保険料は、前年の4月~6月の給与額をもとに算出されます。そのため、時短勤務で給与が減っても、引かれる保険料は以前と同じままのことも珍しくありません。育児休業明けの方は、「育児休業等終了時報酬月額変更届」を会社経由で日本年金機構に提出すれば、復職後4ヶ月目から時短勤務時の給与で再計算された社会保険料に改定されます。
2022年10月以降の社会保険適用範囲拡大について
2022年10月から短時間労働者の、社会保険の適用範囲が拡大されます。そこで、変更点と適用される条件を解説します。
変更点
就業期間が継続して1年以上見込まれることから、継続して2ヶ月以上へ変更となります。また、社会保険の被保険者となる従業員数は、500人超から100人超へと変更され、中小企業の一部まで適用範囲が拡大されました。
適用される条件
社会保険が適用される条件は以下の通りです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 賃金月額8.8万円以上(年収106万円以上)
- 雇用期間が2ヶ月を超える見込みがある
- 学生ではない
この4つの条件すべてを満たした場合です。
時短勤務の種類
勤務時間が短くなる時短勤務ですが、働き方は1つではありません。どういった種類があるのか解説します。
原則は1日6時間
所定労働時間が週5日、8時間であれば、週5日間を通して始業と終業の時間を調整し、1日6時間にすることが基本になります。1日6時間以上働く場合は、45分以上の休憩を取らなくてはならないことに注意しましょう。
日ごとの調整も可能
原則は上記のように1日6時間勤務ですが、日や曜日によって就業時間を変える方法もあります。例えば週3日は半日の就業にし、週2日はフルタイムにするという形も可能です。
就業日数での調整も可能
または、1日の所定労働時間は、フルタイムで働いていたときから変えない方法もあります。たとえば、週3日はフルタイムで8時間働き、残り2日を休みにすることで時短勤務にするという形です。
育児に役立つ家事の時短テクニック
時短勤務中であっても、育児と家事を両立するのは簡単なことではありません。家事を時短でこなすテクニックをご紹介します。
朝型の生活にする
朝型の生活にすると、時間に余裕が出て、気持ちに余裕が生まれます。子どもや家族が起きる前に洗濯や掃除、夕食の準備まで済ませていれば、スケジュールをスムーズに進められます。そして、自分の時間を作ることも可能です。
時短家電を使う
時短家電とは家事の時間を短縮するための家電で、ロボット掃除機、ドラム式洗濯乾燥機、食器洗浄機などがあります。仕事が忙しい時短勤務中は、負担になる家事を家電に任せてゆとりを持つことが、日々のストレス軽減につながります。
外部サービスを使う
時短家電にできない家事は、外部サービスを利用するのも有効です。家事代行サービスを利用すれば、料理の作り置き、水回りの掃除、ゴミ出しなど幅広い依頼が可能です。宅食サービスを利用すれば、お弁当や食事を自宅まで届けてくれます。最近では、必要な食材が必要な分だけセットされた時短食材キットなども人気です。便利なだけでなく、生産地やオーガニックなどの安心基準に拘った商品をはじめ、栄養バランスも優秀な商品が増えています。
まとめ
時短勤務を利用することで、仕事と育児、家事を両立しやすくなります。3歳に満たない子を養育する労働者が対象となる制度で、細かな規定は会社によって異なります。働き方は1日6時間の勤務が原則ですが、日ごとや就業日数での調整も可能となるため、希望の働き方を会社に相談してみましょう。
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