
育児や介護、持病などによって派遣社員として働くことを検討しているときに、給料が気になっている方もいるでしょう。本記事では、派遣社員の平均給料・年収、給料が高い職種などを解説します。派遣のしくみや給料支払いの方法、実際の手取り額について紹介しますので、派遣社員として働くことを考えている方は参考にしてください。
目次
派遣社員の給料はどれくらい?
派遣社員を検討していても、エリアや職種ごとの給料が気になる方も多いはずです。ここからは、派遣社員の平均月収やエリアごとの差などを解説します。
派遣社員の平均月収・年収
厚生労働省の調査によると、令和4年度の平均賃金は1日8時間換算で15,968円でした。前年に比べて1.7%高くなっています。平均賃金が上がった原因は、エネルギーコスト・物価の上昇、人材不足などのためです。
1月あたり20日稼働と考えると月収319,360円、年収を計算すると3,832,320円となります。ただし、あくまで全国平均の数字のため、エリアや職業によっては平均値を下回る可能性があります。
出典:令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)| 厚生労働省
給料が高い派遣職種
株式会社リクルートジョブズリサーチセンターが発表した調査結果によると、2024年10月度の平均時給は以下のとおりです。
職種 |
平均時給 | 月給(8時間/日、20日稼動/月) |
オフィスワーク系 |
1,644円 | 263,040円 |
営業・販売・サービス系 |
1,486円 | 237,760円 |
IT・技術系 |
2,216円 | 354,560円 |
クリエイティブ系 |
1,869円 | 299,040円 |
医療介護・教育系 |
1,516円 | 242,560円 |
製造・物流・清掃系 |
1,414円 | 226,240円 |
IT・技術系やクリエイティブ系など、専門知識や技術が必要な職種ほど給料が上がりやすいといえるでしょう。
特にIT系の人材不足は加速しており、2016年の経済産業省の調査によると、2030年には45万人のIT人材が不足すると発表されました。人材確保のために給料を高く設定していることがわかります。
職種ごとの給料や仕事内容を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
職種一覧【働き方ガイド】
なお、この調査はリクナビ派遣に掲載された求人情報をもとに集計されています。派遣全体の給料をもとに計算されたものではないため、あくまで参考程度にとらえてください。
出典:2024年10月度 派遣スタッフ募集時の平均時給調査 | 株式会社リクルートジョブズリサーチセンター
IT人材需給に関する調査(概要)| 経済産業省
派遣社員の地域別の給料
派遣社員の給料は、職種だけでなく地域によっても異なります。株式会社リクルートジョブズリサーチセンターの調査によると、関東の平均時給は1,772円、東海の平均時給は1,550円、関西の平均時給は1,517円です。高い給料を得たいと考えている方は、エリア別の給料を比較したうえで働きましょう。
参考:2024年10月度 派遣スタッフ募集時の平均時給調査 | 株式会社リクルートジョブズリサーチセンター
派遣社員と正社員・アルバイトとの給料の違い
派遣社員と正社員、アルバイトは働き方の違いによって給料も異なります。それぞれの給料の違いについて見ていきましょう。
正社員との給料の違い
令和4年度の国税庁の調査によると、正社員の給料の平均は530万円です。先ほどの計算した、派遣社員の年収約380万円に比較すると、150万円ほど差があります。仕事の責任や業務内容などに違いがあることから、年収に差が出ると考えられます。
派遣社員と正社員の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
派遣社員と正社員の違いとは?それぞれのメリット・デメリットを解説!
出典:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁
アルバイトとの給料の違い
アルバイトは派遣社員と異なり、勤務先企業に直接雇用される働き方です。株式会社リクルート ジョブズリサーチセンターの調査によると、2024年10月度のアルバイトと派遣社員の地域別の時給の差は、以下のとおりです。
三大都市 | 派遣社員 | アルバイト | ||||
時給 | 月収 | 年収 | 時給 | 月収 | 年収 | |
1,666円 | 266,560円 | 3,198,720円 | 1,212円 | 193,920円 | 2,327,040円 |
このデータの対象となる三大都市圏とは、関東・東海・関西のエリアのことです。月収は1日8時間・20日間勤務と仮定し、計算しています。
派遣とアルバイトのどちらで働くか迷っている方は、以下の記事をご覧ください。
派遣とアルバイトの違いとは 派遣のメリット・デメリットも詳しく紹介
参考:2024年10月度 派遣スタッフ募集時の平均時給調査 | 株式会社リクルートジョブズリサーチセンター
2024年10月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査 | 株式会社リクルートジョブズリサーチセンター
派遣の手取り給料はいくら?
ここまで解説した派遣社員の給料は「額面」です。ここからは、気になる派遣社員の手取りの給料や計算例を解説します。
手取り給料の考え方
手取り給料とは、給料全体から各種社会保険や所得税などの税金を差し引き、実際に受け取る金額のことです。正社員と異なり、住民税は給料から引かれないことが多いため、確定申告の際は注意しましょう。
一方で、控除される前の給料全体のことを額面給料(額面)と呼びます。手取り給料が知りたい場合は、派遣会社が発行する給料明細書を確認してください。一般的な給料明細書に書かれている手取りの月給は「差し引き支給額」「銀行振り込み額」などと表記されている金額です。
手取り金額の計算例
額面から引かれる社会保険料と所得税は、給料の額だけでなく扶養家族の有無などの家族構成によっても等級や税率が変わります。
扶養家族がいない場合の手取り給料の計算方法は、「額面給料の約15%程度」です。額面給料から15%分を引いた0.85をかければ、おおよその手取り給料がわかります。ここからは以下の派遣社員の手取り給料を計算していきます。
● 時給1,500円
● 1日8時間・月20日勤務
● 扶養家族がいないケース
額面の給料は、
時給1,500円×8時間×20日=月給240,000円
手取り給料は、社会保険料と所得税(額面の約15%)を引いた額のため、
月給240,000円×0.85=手取り月給204,000円
上記のケースでは手取りの月給は、約204,000円です。
派遣社員で収入を上げる方法
派遣社員で収入を上げる方法は、次のとおりです。
● スキルアップをする
● 派遣会社の担当者に相談する
● 派遣先を変更する
それぞれの方法について詳しく解説します。
スキルアップをする
派遣社員として給料を上げたいときは、まずはご自身のスキルアップに努めましょう。派遣社員のなかでも、専門知識が必要な仕事ほど高い時給が設定されています。コミュニケーションやロジカルシンキングだけでなく、資格取得もスキルアップにつながります。
資格試験によっては、派遣会社からのスキルアップサポートを受けられる可能性があるため、福利厚生をチェックしてみてください。
英語を使う仕事であればTOEIC®やTOEFL®、IT系の職種であればITパスポートや基本情報技術者などの資格がおすすめです。仕事の成果をあげられるようになれば、給料が上がりやすくなるでしょう。
スキルアップする方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
スキルアップとは?スキルアップのメリットと個人でスキルアップする方法を解説
派遣会社の担当者に相談する
スキルアップをしたうえで、派遣会社の担当者に相談することも手段のひとつです。派遣先企業への貢献度や仕事の成果によっては、給料を上げられる可能性があります。
しかし、派遣会社の担当者が、派遣先企業に給料アップを交渉するためには「目に見える成果」が不可欠です。数字を出せるような具体的な成果を提示するために、仕事に取り組みましょう。
派遣先を変更する
派遣先の企業は、派遣会社との契約により派遣社員の時給を決めています。交渉をしても、派遣先企業の懐事情により時給がなかなか上がらない可能性もあります。
契約している時給が高い会社に変更すれば、給料を上げられるでしょう。しかし、頻繁に派遣先企業を変えると、派遣会社との関係が悪化する恐れがあります。頻繁に派遣先企業を変更することを好意的にとらえない派遣会社も少なくありません。
契約満了・更新のタイミングに合わせて、高い時給を設定している派遣先企業に挑戦してみましょう。
派遣の給料に関するよくある質問
派遣の給料に関するよくある質問は、以下のとおりです。
● 派遣社員の給料が支払われるタイミング・方法は?
● 派遣社員でもボーナスはもらえる?
● 派遣社員の給料は消費税が引かれる?
それぞれの質問に回答します。
派遣社員の給料が支払われるタイミング・方法は?
月給制の正社員に対して、派遣社員は時給制で給料が支払われるケースがほとんどです。一般的には、1ヶ月ごとに月末で締めて、翌月の指定日に就業時間に応じた給料が支払われます。ただし、給料の支払いは派遣先企業の給料日ではなく、雇用元である派遣会社が指定した給料日になります。
給料日は一般的に毎月15日や25日、末日などです。給料日が土日祝日にかかる場合は、休業日の前日に支払われます。
派遣社員でもボーナスはもらえる?
派遣社員として働いている間は、ボーナスが支給されるケースはほとんどありません。派遣社員の給料にはボーナス分があらかじめ組み込まれており、パートやアルバイトに比べて高く設定されているためです。
しかし、ボーナス制度が組み込まれている派遣会社の場合は、賞与が支給されるケースもあります。
派遣社員の給料は消費税が引かれる?
派遣社員の給料は、明細に書かれていなくても消費税が引かれています。派遣会社と派遣先企業が派遣契約を締結しているためです。派遣会社から派遣社員という労働力を提供する代わりに、派遣先企業が対価を支払う契約の形を取っています。
派遣会社によって説明している会社としていない会社があるため、明細に消費税が記載されるかどうかは分かれます。
まとめ
令和4年度の調査によると、派遣社員の平均賃金は8時間換算で15,968円、月20日勤務と仮定すると月収319,360円、年収を計算すると3,832,320円でした。高時給を目指したい場合は、関東エリアやIT系の求人に応募しましょう。
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