2024年5月30日

無期雇用派遣は、派遣会社と期限を設けずに雇用契約を結び、派遣社員として働く方法です。一般的な派遣である登録型派遣よりも安定した収入を得られる一方で、派遣社員のメリットである職場を選べません。この記事では、登録型派遣との違いやメリット・デメリットなど、押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
無期雇用派遣とは?
無期雇用派遣(常用型派遣)とは、派遣社員が派遣会社と期限がない無期雇用契約を締結した雇用形態です。
無期雇用派遣の理解を深めるために、登録型派遣・正社員との違いについて解説します。
無期雇用派遣と登録型派遣の違い
無期雇用派遣と登録型派遣には、以下の図表のような違いがあります。


普通の派遣 | 無期雇用派遣 | |
雇用関係の成立 | 派遣先企業でのお仕事がスタートしたとき (派遣契約期間開始日) |
派遣会社に採用されたとき |
雇用期間の定め | あり(有期雇用) | なし(無期雇用) |
給与 | 派遣先企業により異なる | 原則として固定 |
派遣契約終了時 | 雇用契約は終了 | 雇用契約は継続 |
待機期間中の休業手当 | なし | なし |
登録型派遣(一般派遣)とは、派遣先企業と働く期間だけ派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。
一方で、無期雇用派遣は、派遣会社との雇用契約は無期であるため、派遣先企業が決まらないなど派遣会社の都合で働けない場合は、待機期間に休業手当が支給されます。
正社員との違い
無期雇用派遣と正社員との違いは、以下の通りです。
無期雇用派遣 | 正社員 | |
雇用主 | 派遣会社 | 勤務先企業 |
給与の支払元 | 派遣会社 | 勤務先企業 |
給与・福利厚生 | 派遣会社の規則が適用 | 勤務先企業の規則が適用 |
派遣先企業と派遣会社の契約が終了すると、無期雇用派遣社員はその派遣先企業での就業は終了となるため、他の派遣先企業で就業することになります。
また、無期雇用派遣社員の給与や福利厚生は派遣会社の規則が適用されるため、
派遣先企業の業績が悪化または・改善し、派遣先企業の正社員の給与に影響があった場合でも、無期雇用派遣社員の給与には影響がありません。
「事務職系」無期雇用派遣に応募するメリット4つ
ここでは、人気の「事務職系」の無期雇用派遣である、当社の「M-Shine」に特化したメリットを紹介します。
メリット1
雇用と収入が安定!
無期雇用派遣の最大のメリットは、雇用と収入の安定です!
登録型派遣は1ヶ月~数ヶ月ごとの更新が多く、次回の更新が約束されていません。
一方で、無期雇用派遣は、派遣先企業との派遣契約の期間に関係なく派遣会社との雇用関係は続きますので、契約の更新を心配する必要はありません。
また、無期雇用派遣の給与は基本的に「月給」であり、毎月安定した収入が見込めます。一方で、登録型派遣に多い「時間給」の場合、ゴールデンウィークやお盆休みなどで就業日数が減ることにより、収入が変動することがあります。無期雇用派遣は、働く場所が派遣先企業であること以外、正社員に近い働き方といえます。
メリット2
土日祝日休みの職場が多くプライベートも充実!
一般事務や総務事務などの事務職系の特徴は、土日祝日休みが多いことです。
平日お休みならば、人気のお店も並ばずに入れるなどのメリットがある一方で、お友達とのスケジュール調整がしにくいケースもあるかもしれません。
休日が土日祝日の事務職系であれば、お友達との予定も立てやすく、土日限定のイベントも逃さずに充実したプライベートを過ごせます。
「たまには混雑のない平日にのんびり過ごしたい」「どうしても平日に行かなくてはならない用事がある」などの場合は、年次有給休暇を取得できます。
メリット3
未経験でもチャレンジ可能
無期雇用派遣である「M-Shine」は当社にとっても安定した雇用となるので、時間をかけて育成できます。また、応募者のスキルや経験よりも、やる気や積極性などポテンシャルを重視して無期雇用派遣として採用する派遣会社が増えています。
「未経験だけど、事務職系のお仕事をやってみたい!」という方は、無期雇用派遣で派遣会社の研修やサポートを受けながら、さまざまな派遣先企業で事務職系のお仕事の経験を積んでいくこともおすすめです。
未経験だけど…事務職系のお仕事をやってみたい!という方は、無期雇用派遣で派遣会社の研修やサポートを受けながら、いろいろな派遣先企業で事務職系のお仕事の経験を積んでいくのも有効な手段です。
メリット4
普通の派遣よりも幅広い業務を経験できる可能性あり!
無期雇用派遣は、「人で3年ルール」の対象外になります! 派遣先企業と派遣会社との派遣契約が続く限り、何年でも同じところで働けます。
3年の期間制限がある登録型派遣と違い、ずっと同じ人が働いてくれる無期雇用派遣の方が、派遣先企業から任せられるお仕事の幅が広がる可能性が高くなります。さまざまな業務経験によってスキルアップし、着実にキャリアを積めるでしょう。
「人で3年ルール」について詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。
【労働者派遣法】 3年後は派遣から直接雇用へ
無期雇用派遣のデメリットとは?
次に、当社の無期雇用派遣である「M-Shine」と登録型派遣と比べたデメリットを説明していきます。
職場が選べない
無期雇用派遣は派遣会社からの業務命令によって指示された派遣先で就業するので、派遣先企業を自分で選べません。通勤時間が40分かかるところから10分に短縮されるケースもあれば、その逆もあります。企業との相性が悪いと感じても、自分の意思で派遣契約を更新するかどうか選択できません。
とはいえ、正社員でも部署やエリアの異動は一般的です。
もちろん無期雇用派遣でも、新しい職場で不安なことや困ったことがあれば、登録型派遣と同じように派遣会社のサポートやフォローを受けられます。派遣先企業に対しての悩みをひとりで抱え込まずに、派遣会社の担当者にいつでも相談しましょう。
ワークスタイルが固定される
無期雇用派遣は、正社員の働き方と同様に、雇用契約により働く時間が決まっています。登録型派遣と違い、限定した曜日・短い時間だけ働くといった「自分のライフスタイルに合わせて働く」ことはできません。
しかし、ワークスタイルが固定されるため、生活リズムが整うメリットもあります。
書類選考や面接がある
登録型派遣の場合は、紹介予定派遣を除いて書類選考も面接もなく、派遣会社に登録するだけでお仕事を始められます。
無期雇用派遣の募集に応募する場合、登録型派遣と違って「登録」ではなく、派遣会社の社員として「採用」されるので、書類選考や面接があります。派遣会社による履歴書の作成や面接の受け方などのサポートを受けられないので、登録型派遣のお仕事をスタートするよりもハードルは少し高いでしょう。
ただし、スキルや経験よりもポテンシャルを重視した無期雇用派遣を採用する派遣会社が増えているので、やる気をアピールすれば選考に通過する可能性が高くなります。
無期雇用派遣で就業するには
無期雇用派遣として就業するには、契約時から無期雇用派遣を前提として採用している派遣会社に採用されるか、無期雇用派遣に転換する2つのパターンです。それぞれの方法を、詳しく解説します。
無期雇用派遣の募集へ応募する
派遣会社の「無期雇用派遣」の募集へ応募して、選考に通過し、採用されればお仕事をスタートできます。
ITエンジニアなどの技術系だけでなく、最近は人気の一般事務や総務事務などの事務職系の業種でも、無期雇用派遣の採用が活発になっています。特に事務職系は、派遣会社による未経験の方向けの研修やサポート体制が整っています。そのため、派遣先企業で働きながら長期的なスキルアップだけでなく、キャリアアップを目指せます。
無期雇用派遣として未経験から事務職にチャレンジしたい方は、M-Shineとしての就業をご検討ください。入社した場合は、100%事務職に配属されます。充実した研修制度を実施しているので、未経験からの事務職デビューを後押しします。
事務系・無期雇用派遣(M-Shine)
登録型派遣(有期雇用)から無期雇用へ転換
有期雇用の登録型派遣から、無期雇用への転換ができる場合があります。
2013年の労働契約法の改正により、有期雇用における雇用期間が通算で5年を超えた場合に、無期雇用へ転換の転換の申込ができるようになりました。以下の3つの条件を満たしている場合、無期雇用の転換を派遣会社に対して申し込めます。
● 雇用期間が5年を超えている
● 派遣元と現在も契約している
なお、無期雇用に転換できる有期雇用契約は、2013年4月1日以降に成立したものに限ります。転換の申込をした時点で、派遣会社が承諾したとみなされ、申込をした日を含む有期雇用契約の終了後、無期雇用契約がスタートします。無期雇用契約の転換を申し込むときは、トラブルにならないように書面で行ってください。
無期労働契約への転換(厚生労働省)
無期雇用派遣で成功するためのポイント
無期雇用派遣で成功するためには、これから紹介するポイントを押さえて働きましょう。
積極的にスキルアップを図る
長期間働き続けるためには、スキルアップが必須です。たとえば、事務職を長く勤めたいならば、電話対応のスキルやOfficeソフトの知識だけでなく、チームをまとめるリーダーシップも必要です。
また、IT業界や医療業界といった専門知識が必要な業界に派遣された場合、企業が取り扱う製品の知識や、資格を取得すると業務の理解度が増すでしょう。
派遣会社によっては事務職に必須のスキル研修だけでなく、就業年数に合わせたフォローアップ研修も行っているため、積極的に活用しましょう。
積極的にコミュニケーションを取る
無期雇用派遣になった場合、同じ派遣先企業で長く勤める可能性が高くなります。派遣先の人間関係を上手く構築できなければ、派遣先企業で長期間働きにくいでしょう。派遣先企業で長く働くためにも積極的にコミュニケーションをとり、良好な人間関係を築く必要があります。
必ずしも話し上手である必要はなく、挨拶や報連相をしっかりと行うといった基本的なスキルがあれば、信頼できる派遣社員として仕事を任せてもらいやすくなります。
積極的にコミュニケーションを取っていれば、前向きな姿勢をアピールでき、仕事の希望が通るかもしれません。
キャリアプランを明確にする
キャリアプランを明確にすることで、ご自身が無期雇用派遣の適性があるか判断できます。
たとえば、さまざまな経験を積みたい場合、無期雇用派遣では会社を選べないため、ご自身のキャリアプランに合わないかもしれませんし、事務職で長く勤めたいといったキャリアプランがある場合、事務職に特化した無期雇用派遣の採用を行っている派遣会社に応募すれば、理想のキャリアを描けるでしょう。
まとめ
無期雇用派遣は、派遣会社と期限を設けずに雇用契約を結び、派遣社員として働く方法です。雇用と収入が安定し、登録型派遣よりも幅広い業務を経験できる可能性があります。一方で、職場が選べず、ワークスタイルが固定されるデメリットがあるため、ご自身の理想のキャリアプランを考えて、無期雇用派遣で就業するか考えましょう。
無期雇用派遣で事務職を検討している方は、M-Shineをご活用ください。派遣先企業の配属先は100%事務職であり、未経験の事務職デビューを後押しするような充実した研修制度を用意しています。
事務系・無期雇用派遣(M-Shine)
【記事監修】
マンパワーグループ株式会社 コンプライアンス部 特定社会保険労務士