グローバル化が促進したことで、この先ますます英語力が重要視されることが予想されます。英語力は数値に置き換えてレベルを測れます。その目安のひとつが、TOEICです。この記事では、TOEICの試験内容や獲得したい点数別の勉強法を解説します。効率的な勉強方法を知って、TOEIC対策の参考にしてください。
目次
TOEICとは
TOEICのテストには2種類あり、英語力の何を測るのか違いがあります。ここでは、TOEICの特徴について解説します。
TOEICの特徴
TOEICは、「Test Of English for International Communication」の頭文字をとった略称です。英語コミュニケーション能力を測るためのテストで、アメリカの非営利テスト開発機関Educational Testing Service(ETS)が開発・制作を行っています。国内のTOEICは、国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施しています。2021年度の日本国内のTOEIC受験者は約230万人でした。
※参考:2021年度TOEIC Program総受験者数は約230万人 IIBC
TOEICの種類
TOEICには、「TOEIC Tests」「TOEIC Bridge Tests」の2つのテストがあります。「TOEIC Bridge Tests」は、英語学習初級者から中級者に向けたテストです。聴く、読む力を測る「TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests」と話す、書く力を測る「TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests」があります。
「TOEIC Tests」には、3種類の試験があります。最も受験者が多い「TOEIC® Listening & Reading Test」では、聴く、読む力を測ります。「TOEIC® Speaking & Writing Test」は話す、書くテストです。
「TOEIC® Speaking Test」は話す力を測ります。
TOEICでスコアを上げるために必要な勉強時間
オックスフォード大学出版局は、TOEICのスコアを100点上昇させるのに、下記表の勉強時間が必要であると示しています。1日3時間勉強をした場合、3ヶ月から4ヶ月はかかる計算です。
|
目標スコア |
|||||||
350 |
450 |
550 | 650 | 750 | 850 | 950 | ||
現 在 の ス コ ア |
250 |
200時間 | 425時間 | 700時間 | 950時間 | 1,150時間 | 1,450時間 | 1,750時間 |
350 |
225時間 | 450時間 | 700時間 | 950時間 | 1,225時間 | 1,150時間 | ||
450 |
225時間 | 450時間 | 700時間 | 975時間 | 1,300時間 | |||
550 |
225時間 | 450時間 | 725時間 | 1,050時間 | ||||
650 |
225時間 | 500時間 | 825時間 | |||||
750 |
275時間 | 600時間 | ||||||
850 |
325時間 |
※参考: 「A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success」OXFORD UNIVERSITY
スコア別TOEICの勉強法
TOEICは目標スコアにより、勉強方法が異なります。求められるレベルや身につけておくべき知識について解説します。
TOEICで500点を取るための勉強法
TOEICのスコアの500点は、中学で習うレベルの英単語の知識が必要です。TOEICのスコアが500点未満の場合は、英語の基礎力が不足している可能性があります。中学英語の復習から勉強を始めましょう。リスニングがネックになっているなら、聞くだけでなく声に出して読む勉強法が効果的です。
TOEICで600点を取るための勉強法
TOEIC600点は、中学卒業レベルの基礎英語力が身についている状態です。履歴書に記載可能で、多くの企業が求める最低レベルです。試験では、高校英語以上の知識が求められるため、基本的な語彙や構文は理解しておきましょう。聴きながら話すシャドーイングをはじめとする、細部まで聞き取る練習が必要です。
TOEICで700点を取るための勉強法
TOEIC700点は、英検2級程度、高校卒業レベルの英語力が求められます。TOEICのスコアが700点を超えると、会社からの評価が上がり昇給や昇進につながる場合もあります。時間内に全問回答をするために出題傾向を分析したり、頻出単語をおさえた単語帳づくりなど、効率的に勉強する必要があります。
単語を覚える場合は、派生語や語法もあわせて学びましょう。多読やスラッシュ・リーディングなど、読解スピードをあげる努力も必要です。
TOEICで800点を取るための勉強法
TOEIC800点は英検準一級レベルに相当します。ネイティブレベルの英語理解者として、英語関連の仕事への就職や転職も可能です。800点以上を目指すには聞き取りや単語力、語彙力を増やす必要があります。基礎の文法は完璧にしたうえで、頻出の文法や単語に絞って問題集を繰り返し解き直しましょう。読むスピードが求められるため、日ごろから制限時間を設けて模試に挑むことが重要です。
TOEICで900点を取るための勉強法
TOEIC900点は、英検1級と同等レベルの英語力が求められます。英語に精通していると高く評価されて、転職や就職で有利になります。9割以上の正解率を求められるため、苦手分野があると得点率が上がりません。苦手分野を把握したうえで、欠点をなくすことが大切です。問題集を解くだけでなく、英語の動画やニュースを見たり、新聞に目を通したりするなど、さまざまなジャンルの英語に触れることも重要なポイントです。
TOEICの勉強スケジュール
TOEICの勉強スケジュールは、自分のレベルや試験までの時間を加味して考える必要があります。
自分のレベルや苦手分野を事前に把握する
TOIECで目標の点数を獲得するためには、事前に自分の現在のレベルや苦手分野を確認することが大切です。TOEICの公式問題集は、実際の試験と同じ制限時間で解くことで、現状の自分のレベルが確認できます。そのうえで、レベルにあった勉強方法やテキストで勉強を行いましょう。
具体的な勉強スケジュールを立てる
前述したように、TOEICで100点分の点数を上げるには、多くの勉強が必要です。2ヶ月から3ヶ月のスパンでスケジュールを立てれば、モチベーションを保ちながら勉強を進められます。TOEICの試験日と目標スコアを決めたら、1日の勉強量を計算します。余裕をもったスケジュールで無理なく勉強を進めましょう。
定期的に模試を受ける
TOIECの勉強中は、定期的にTOEICの本番さながらの試験を受けましょう。TOEICの試験は、2時間以上の長丁場です。試験の雰囲気をつかんだり、時間配分を知るためにも模試は有効です。模試を定期的に受けることで学習の進捗具合が確認できます。また、苦手分野の把握にも模試が役立ちます。
効率的な勉強法
TOEICのスコアは一朝一夕では上がりません。隙間時間を有効活用して勉強することが重要です。
朝に勉強する
TOEICの勉強を進めるなら、朝の隙間時間が最適です。朝は、脳のゴールデンタイムと呼ばれるほど新しい知識を増やしたり、前日の復習をしたりするのに向いています。朝の勉強が習慣化すれば、毎日同じ時間に勉強する規則正しい生活につながります。仕事のメールがこない早朝なら、静かな環境で勉強に集中できることもメリットです。
通勤中や移動時間を有効活用する
通勤電車内や、駅や会社までの移動時間はリスニング学習に最適です。テレビやお菓子などの誘惑が多い自宅と異なり、通勤中はできることが限られているため、勉強に集中できます。但し、移動中はテキストを広げたり、問題集を解いたりするにはハードルが高いでしょう。そのため通勤中は単語を覚えたり、一問一答式の問題を解いたりする時間にあてれば、休日は長文読解に集中できます。
まとめて時間が取れる休日を有効活用する
長く勉強時間が取れる休日は、TOEIC試験と同じ時間制限で問題を解くのがおすすめです。本番と同じ時間内で問題を解き終わるようにするだけでなく、実際の試験開始時間と合わせると効果的です。集中力のアップだけでなく、自分の苦手分野や理解度も把握できます。間違えた問題はそのままにせず、丁寧に見直しましょう。
無料アプリを利用する
TOEICの勉強には無料アプリを活用しましょう。多種多様なアプリのなかから気軽に自分にあったものを見つけられます。アプリによって鍛えられるポイントはリスニングや単語など多種多様です。TOEICの公式アプリ「TOEIC presents English Upgrader」は、リスニング能力を鍛えるのに適しています。
挫折しないためにできること
TOEICの勉強は地道に1歩1歩進むことが大切です。しかし、勉強方法や環境を工夫しないと勉強自体が嫌になってしまうかもしれません。
日常で英語に触れる
TOEICでは、単語や文法のレパートリーを増やすことが大切です。映画や音楽などの娯楽で日常的に英語に触れて英語力の強化を目指しましょう。スマートフォンの表示を英語にする、かんたんな英語のニュースに触れるなども楽しく英語力を身に着ける方法のひとつです。
勉強会への参加や講座の受講も効果的
1人で勉強をしていると、つい手抜きをしたり、集中力が続かなかったりする場合があります。同じ仲間と切磋琢磨できる勉強会に参加したり、講座を受講したりすれば、モチベーションアップにつながります。勉強せざるを得ない環境に身を置くことも挫折しないためには効果的です。自分にあった対策方法を教えてもらえるコーチングを利用すれば、勉強の計画を立てる大変さも解消できます。
まとめ
TOEICでスコアを100点上昇させるには、200時間以上の勉強が必要です。効率的な勉強法には、早朝や通勤時間を利用する、休日は模試を受けるなどがあります。苦手分野を把握したうえでレベルに合せた勉強法でスコアを伸ばしましょう。
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