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派遣社員は残業を断れる?残業代ってどうなるの?
断る方法などを解説

2020年4月30日
 

 

派遣社員の方にとって、帰ろうとしていたら残業を頼まれてしまったという経験がある方も多いと思います。このようなとき、派遣社員として残業を断れるのでしょうか。
 
本記事ではそんな疑問を抱いている方に向けて、派遣社員は残業を断れるかについて詳しく解説します。残業を断れるのはいつか、残業の断り方、断ったときの影響などについて説明します。
 
この記事を読めば、派遣社員の残業についての知識や断るときのコミュニケーションなどを理解することができます。ぜひ一読してみてください。

目次

 派遣社員は残業を断れる?

 
派遣社員は、派遣会社との契約内容の違いによって、残業を断れる場合と断れない場合の両方が存在します。
そもそも派遣社員が残業を命令された場合に残業が発生するのは、
・就業条件明示書(労働条件通知書)に残業に関する規定が明記されている
・派遣会社と派遣社員の間で労働基準法36条の協定が締結されている
という2つの条件が満たされているときです。
これをもとに、どんなときに残業を断れて、どんなときに断れないのかをこれから解説します。
 
【補足】
・就業条件明示書:派遣会社が派遣社員に対して明示する書面で、就業時刻・休憩時間・派遣される期間・残業など就業条件について明示されています。
・労働基準法36条の協定:「時間外・休日労働に関する協定届」のことで、労働基準法に定められている労働時間を超えて時間外労働をさせる際に締結させることが必要になる協定のことです。
 

残業を断れる場合

残業を断れるのは、残業を命令する規定が明示されていない場合です。
具体的には、
・就業条件明示書(労働条件通知書)に残業に関する規定が定められていない
・派遣会社で労働基準法36条の協定が締結されていない
このようなときは、残業を命令されても、残業命令を聞かなければならない根拠が欠けているために断れます。
 

残業を断れない場合

反対に、残業を命令する規定が明示されている場合には基本的に残業を断れません。
具体的には、
・就業条件明示書等で定められている(例:「1日5時間、1ヶ月45時間以内とする」など)
・派遣会社で労働基準法36条の協定が締結されている
このようなときは、残業を命令することが契約・法律上認められているため、基本的に断れません。もしも断ってしまうと、派遣先企業・派遣会社からの信頼を失ってしまい、その後あまり仕事を依頼してもらえなくなってしまう恐れもあります。
派遣社員であっても、契約の内容によっては残業をする可能性もあるということは覚えておきましょう。
 
 

残業を断る際のコツ

 
契約上、残業を断れないとなっても、どうしても残業を断りたいというときもあるかと思います。そんなときのための残業の断り方のコツをこれからご紹介します。
 
 

伝え方を工夫する

まずは、上司の「どうしても残業してほしい」という気持ちを汲みながら、「今日は残業をすることができない」という自身の主張もできるような伝え方をするように心掛けましょう。このように、相手の気持ちを思いやりながらも自身の主張も伝える方法をアサーティブといいます。アサーティブに相手に伝えることで、相手の気を悪くさせずに自分の意見もスムーズに伝えることができます。
 

早めに知らせる

事前に外せない予定があることがわかっていた場合には、その予定が決まった時点であらかじめ職場の人に残業ができない旨をいえる範囲で具体的に知らせましょう。そうした方が、スムーズに残業を断れることが多いです。
 

仕事の順序を工夫する

優先度の高い仕事から順に終わらせることで、1日の終わりに最低限終わらせなければいけない仕事は終わらせることができ、残業も断りやすくなります。また、新たに業務を増やされたら翌日対応としてもらうよう依頼する、業務時間外にかかる会議に出席する必要があり、意見を求められている場合は事前に「自分の意見は〇〇です」と伝えておくなど、代替案を出して早めに帰らせてもらう工夫をしましょう。
 
 

残業を断ることの影響

 
契約上残業が認められていなかったり、労働基準法で定められている残業時間の上限を超えたりなど、残業命令が違法の場合は残業を断ることも大切です。派遣会社にも必ず報告しましょう。
また先ほどご説明したように、派遣先企業にきちんと説明をした上で、断れる場合は残業を断っても大丈夫です。ただ、会社の繁忙期などで仕事量が増やされるときは、残業命令に従わないことにより、ネガティブな印象を抱かれる可能性があります。逆にいえば、このようなときに快く残業を受けるとで、あなたの業務に対する姿勢が評価され、派遣先企業に直接雇用されるなどよい評価を受けることもあります。
 
 

実際に残業した場合の残業代は


残業した場合、残業代は給与と同様に派遣元から支給されます。労働基準法では、法定労働時間を「1日8時間、週40時間まで」と定めており、これを超えると法定労働時間外となります。時間外労働の賃金は時給の25%の割増、夜22時~翌5時までの深夜労働はさらに25%割増となります。
 
 

残業代の計算方法

以下の勤務時間を例に、実際の給与を計算してみましょう。
 
Aさんは時給1,000円、勤務時間が9時~17時の職場で、派遣社員として働いています。休憩時間は1時間で、実労働時間は7時間です。先日、19時まで残業したため、法定労働時間(8時間)より1時間超過したことになります。この場合の給与計算は以下の通りです。
 
  9時~17時 1,000円×1.0  ×7時間=7,000円
17時~18時 1,000円×1.0  ×1時間=1,000円
18時~20時 1,000円×1.25×1時間=1,250円
【合計】9,250円
 
割増の対象となるのは、あくまで法定外労働時間が対象です。なお、法定労働時間を越えて、かつ深夜に残業したのであれば、50%の割増になります。その場合は×1.25の部分を×1.5で計算しましょう。

 
 

まとめ

 
 
労働時間や残業時間の規定は法律で定められているため、派遣社員は派遣会社から定時される就業条件明示書(労働条件通知書)に残業に関する文言が明記されているかで、派遣先企業からの残業命令を断れるかどうかが決まってきます。もしも就業条件明示書(労働条件通知書)の内容がどうなっているのかわからなかったら派遣会社の担当者に確認しましょう。
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