ピボットテーブルは、データの集計や分析に用いられるツールです。ピボットテーブルを活用すると、データ活用の専門知識がない方でもデータ分析ができるため、売上や商品・サービスの改善につなげられます。この記事では、ピボットテーブルのメリットやデメリット、使い方や集計の方法などを解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
ピボットテーブルとは
ピボットテーブルとは、Excelに搭載されている機能のひとつです。ピボットテーブルは膨大なデータの集計や分析に用いられる機能であり、ビジネスシーンでは売上分析や勤怠管理などに活用されます。Excel初心者でもドラッグ&ドロップの操作でデータを扱えるため、ピボットテーブルは多くの企業で利用されています。
ピボットテーブルを使うメリットと注意点
ピボットテーブルではデータを容易に扱えますが、使う際にはメリットと注意点を把握しましょう。以下でピボットテーブルのメリットと注意点を解説します。
ピボットテーブルを使うメリット
ピボットテーブルの使用に、複雑な関数や数式を使う必要はありません。Excel初心者でも簡単な操作で集計表の作成ができ、データ全体の傾向をつかむことができます。ピボットテーブルはデータ作成の手間がかからないため、データ作成の手間を削減できる点もメリットです。
会社や組織のなかでExcel関数を知らない方でもデータを扱えます。同じ表から複数のピボットテーブルを作成でき、表の修正も容易なため、データ分析に活用されています。
ピボットテーブルを使う際の注意点
ピボットテーブルは、操作に慣れるまでに時間がかかります。通常のExcel表と扱い方が違うため、複数人でひとつのピボットテーブルを使う際は、表の使用方法を共有しておきましょう。Excelのセルに空白や誤字などがある場合、正確なデータを作成できなくなります。ピボットテーブルのデータの挿入を間違えると、列の幅や行の高さにズレが起き、修正の手間がかかる点に注意しましょう。
ピボットテーブルの集計方法
ピボットテーブルの集計方法には、単純集計とクロス集計があります。以下でそれぞれの集計方法の特徴について解説します。
単純集計
単純集計は、アンケートやリサーチなどにおける質問に対して、該当者の割合を集計する方法です。単純集計はアンケートの回答の比率や平均値を算出する有効な手段であり、調査の全体を把握するために活用されています。たとえば、商品を購入した方からアンケートを取る場合、男女比や商品の好き嫌いなどを割り出せます。
クロス集計
クロス集計は、2つの項目を利用して同時に集計する方法です。単純集計で得た数値を利用し、回答の属性を分けて集計や分析に対応できます。クロス集計はデータの詳細を知るために活用するため、全体把握には不向きです。先述した男女比からクロス集計を行う場合、男女ごとの好き嫌いの割合を算出するといった、集計結果の細かい調整の対応が可能です。
クロス集計のメリット
クロス集計のメリットは、集計の結果からさまざまな側面で分析を行える点です。データの全体集計から平均値を算出することで、性別や年代別などの傾向を比較でき、新たな分析方法の発見や商品やサービスの見直しにつなげられます。クロス集計によって、商品やサービスの改善点を把握できるため、売上や利益に貢献するデータを取得しやすくなるでしょう。
クロス集計のデメリット
クロス集計のデメリットは、参考にするデータが少なくなるという点です。データ集計の参照するサンプル数が足りない場合、正確な数値を算出できない可能性が高くなります。クロス集計を行う際は、ジャンルに応じてサンプルデータを用意する必要があるため、分析の手間や時間などのコストの高さに注意しましょう。
ピボットテーブルの構成要素
ピボットテーブルは、以下の項目で構成されています。
- 作業ウィンドウ:表示させるデータを選ぶ
- 列ラベル:横軸を表す
- 行ラベル:縦軸を表す
- 値エリア:数値を表示する
- レポートフィルター:一部のデータのみを表示できる
作業ウィンドウには、以下2つのセクションがあります。
・フィールドセクション:元データのフィールドが一覧に表示される
・エリアセクション:集計表の構成要素の部分で、「値」「行」「列」「フィルター」を表示する
ピボットテーブルは複数のデータの組み合わせで表を作成するため、必要に応じてデータを変えましょう。
ピボットテーブルを使う条件
ピボットテーブルを使うには条件があります。表を作成する前に、以下の条件を満たしているかどうかを確認しましょう。
- 1行目にタイトル行が入っている
- 数字の項目にテキストや記号、空白などが入らずに連続したデータが入力されている
- 同じ項目の表記が統一されている
- セルの統合やレイアウト変更をしていない
上記を満たしたデータは、ピボットテーブルの参照元になるため、データの内容を正確に記載することが重要です。
ピボットテーブルの使い方
以下ではピボットテーブルを使う条件をもとに、作成方法と集計方法を解説します。
ピボットテーブルを作成する
Excelタブの「挿入」から、ピボットテーブルをクリックしましょう。次に「テーブルまたは範囲を選択」を選択して、参照元になる表の全体を範囲選択で指定します。ピボットテーブルのシートを指定して作成しない場合は「新規ワークシート」を選択し、「OK」のボタンをクリックしてください。Excelの新規シートに、ピボットテーブルが生成されます。
データを集計する
新規シートにピボットテーブルが生成された後は、画面右側に「ピボットテーブルのフィールド」の画面が表示されます。画面上部のフィールドセクションから集計に使う項目を選択し、画面下部のエリアセクションにドラッグ&ドロップをします。ピボットテーブルの各項目を「値」「行」「列」「フィルター」に振り分けて集計しましょう。
ピボットテーブルの活用方法
ピボットテーブルは、グループ化やレイアウト・デザインなどの変更ができます。以下でピボットテーブルの活用方法を解説します。
グループ化する
ピボットテーブルは、行・列でセルを選択してグループ化すると、任意のカテゴリで項目を分けられます。任意の項目を範囲選択した後に、右クリックもしくは「Shift + F10」をクリックし、「グループ化(G)」を選択しましょう。週や月ごとの売上の算出や、消費した費用の計算などの項目をグループ化できます。
レイアウト・デザインを変更する
ピボットテーブルは、自由にレイアウト・デザインを変更できます。ピボットテーブルを展開した状態で、Excel画面上部の「デザイン」から「レポートのレイアウト」をクリックしてください。以下の3つのレイアウトから1つを選びます。
- コンパクト形式:各項目がコンパクトに表示されるため、縦スクロールのみでの閲覧に向く
- アウトライン形式:各項目が横展開されるため、階層別の分析が容易にできる
- 表形式:各項目が表形式で整理され、別のシートにコピーするといった汎用性が高い
「デザイン」のタブの「レポートのレイアウト」から、好きな色を使ったデザインにできます。
ピボットテーブルの更新方法
ピボットテーブルの参照元データに変更を加えた場合、自動で反映されないため注意が必要です。手動で更新する場合は、「ピボットテーブル分析」の「データ」グループから、「更新」の文字の上にある画像のボタンをクリックしましょう。ブックを開いた際に、ピボッドテーブルを最新の内容に反映する方法は以下の通りです。
- ピボッドテーブルを選択した状態で、「ピボッドテーブル分析」タブの「オプション」をクリックする
- 「ファイルを開くときにデータを更新する」にチェックを入れて「OK」を押す
まとめ
ピボットテーブルは、複雑な関数を使わずにデータ集計ができるExcelの機能です。単純な集計だけでなく、クロス集計を使うことで詳細なデータの利用が可能になり、商品やサービスの見直しにも活用できます。使い慣れるまでに時間がかかる場合があるため、練習を積み重ねて知識やスキルを磨きましょう。
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