時には長時間に及んでしまうことも多い「会議」ですが、時間をかけたにもかかわらず結論に至らなかったり、意見がまとまらないままになってしまったりすることはありませんか?会議を効率的に行い、業務の生産性を上げようと考えていても、何から着手すればよいのか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、会議を長引かせずに、無用な会議を減らす方法や、自分が主催者となった際に効率よく進行するコツを紹介します。事前準備や、次の会議に向けた準備も紹介しますので、ぜひ活用してください。
目次
会議が無駄な時間になる原因
会議が無駄な時間になる原因は、大きく3つに分けられます。
目的が設定されていない
会議とは本来であれば、目的を設定し議題に対して議論や相談をする場であり、最終的には結論を出さなければいけません。しかし定例会や報告会など、とりあえず時間を押えて参加メンバーで話すだけの会議になってしまうと、毎回集まるものの無駄な時間を過ごすことになります。
会議時間内で結論が決まらない
目的が決まっていても、会議時間内で結論を出すことを意識していないと、会議時間が伸びてしまったり、決議が先延ばしになったり、結果話し合ってきたことと全く別の案が決議されたり、会議の時間が無駄になります。
資料が必要以上に多い
資料を必要以上に多くすると、資料の説明だけで会議の時間が終わってしまいます。また、会議の時間内で結論を出すために、資料の説明を割愛されてしまうと、用意する側の労力も無駄になります。
こういったことを避けるためにも、会議を効率的に進め、生産的な時間にすることが重要です。
会議を効率的に進める方法
ここでは、会議を効率的に進める15の方法を紹介します。今後予定されている会議で実施できていない方法があれば、取り入れてみましょう。
1.日ごろから小まめに相談をする
日ごろから社員間で「報告・連絡・相談」ができていれば、問題や悩みが浮き彫りになり、部下が上司や先輩からアドバイスをもらえる可能性が高まります。若手社員は会議で自分の抱えている問題をいいにくいものです。
「相談できる・アドバイスをもらえる」信頼関係を築いておくと、無駄な会議を開かずに済むだけでなく、業務効率の向上にもつながります。
2.参加メンバーを絞る
会議を開く際には、その分工数がかかることを念頭に置いておきましょう。参加メンバーを絞らなければ、無駄に工数を消費するだけです。会議で「何をするか」によって、「誰とやるか」が決まります。
例をあげると、「何かを決定しなければいけない会議」であれば、ある程度の決定権をもつメンバーの参加が必須となるでしょう。ほかのメンバーはこの会議で決定する内容によって業務の内容や方法が変わることになるので業務対応者の出席が必要なのか出席依頼をする前によく検討しましょう。
3.会議時間を適切な時間に設定する
会議時間は長すぎると参加メンバーが集中できないため意思決定に繋がらずダラダラと長引いてしまいます。会議の時間は、人間の集中力が持続する限界の90分以内に収めるようにしましょう。
また、会議の時間を決めたらその時間を守りましょう。時間が伸びないよう、タイムマネジメントをすることも必要です。
4.会議はコストであるという認識をそろえる
会議の事前準備や、会議にメンバーを出席させることは、人件費をかけていることと同じであるという認識を社内全体に共有しましょう。無駄な工数を削減しようという意識が高まります。
また、会議の回数を増やすことも工数の増加につながります。「会議=コスト」という認識を全員が持ち、本当に必要な会議なのか、取捨選択をしましょう。
5.資料を増やしすぎない
会議を開く際には、提案資料、報告資料といった資料を準備しなければいけない場面があります。しかし資料を増やしすぎると、資料作成者にも、目を通して内容を把握する側にも負担がかかります。
会議の目的に応じて、必要最低限の資料数にとどめておき、双方の負担を減らしましょう。たとえば、意見交換が会議の主な目的である場合、資料は少量でよいはずです。その分を意見交換の時間に費やしましょう。
6.資料とアジェンダを事前に配布しておく
会議の目的、議題を明確にした資料やアジェンダを、事前に参加者全員に共有しておくとよいでしょう。事前共有によって、参加者は会議開始の前に資料の内容を把握したり、議題について考えたり、意見をまとめたりする時間ができます。すなわち、会議開始後すぐに本題に入れます。
資料とアジェンダは、遅くとも会議の前日までに配布しておくのが理想です。
7.会議のゴールを決めておく
会議のゴールを決めておかないと、参加者は、何をどこまで落とし込んで話し合えばよいのか分からず、ただ時間を浪費するだけの会議になってしまいます。「意思・方針決定」「意見交換」といった、会議の目的を決めてから会議を始めるようにしましょう。
目的(ゴール)をあらかじめ全体に共有しておくと、目的達成に向けて全体が協力し合うようになります。「意見を10個出し合う」など具体的な数値を出しておくとゴールが明確化され、参加者の意識も向上します。
8.会議室の環境を整える
会議を始める前に、最低限行っておきたいのが、会議室の環境を整えることです。マーカーのインク切れやホワイトボードを確保できないという状況は好ましくありません。道具だけではなく、声が漏れる環境だとそちらに気を取られてしまい会議に集中できない可能性があります。
部屋の空調や時計の見やすさにも気を使って、快適な空間で会議を始められるようにしましょう。
9.会議における役割を決めておく
会議を始める前に、リーダー、進行役、といった役割分担を決めておくとよいでしょう。それぞれ、以下のような役割を担います。
リーダー
・話が脱線した際に議論をもとに戻す
・意見が対立した際に仲を取り持つ
進行役
・進行をテンポよく進る
・議論を理解しまとめる
また、会議の開始・終了時間を管理するため、タイムキーパーも別に決めておくとよいでしょう。
10.会議のマナーを決めておく
「飲食禁止」「挙手してから発言する」といった、会議におけるマナーを決めておきましょう。例えば、挙手してから発言するようにすることで、意見が飛びかいがちな会議の場でも。いったん場を落ち着かせてから発言を促せます。
また、年長者に対しても節度を守った上で自分の意見をきちんと話せるような配慮が必要です。意見の対立を恐れていては、活発な会議はできませんが、最低限のマナーを決めることで、感情的にならずスムーズに会議を進めることができるでしょう。
11.会議中の内職を禁止する
パソコンやスマートフォンが手元にあると、触りたくなるものです。会議の際には、会議に集中してもらえるよう、議事録作成者やプレゼン担当者以外は、デジタルデバイスを持ち込み禁止にするとよいでしょう。
12.ホワイトボードを撮影して共有する
ホワイトボードを議事録代わりとして使う方法です。ホワイトボードに議題・目的を書いておき、意見が出たらホワイトボードにメモしていきます。
修正を加えながら意見を書き込んでいき、会議終了後はホワイトボードを撮影してデータを共有すれば、議事録作成の人員や手間を省け、工数削減にもつながります。
13.議事録をその場で展開する
会議後の作業負担を減らすために、議事録を会議と並行して作成していき、その内容を会議の最後で参加者に確認してもらいます。その場で合意を得ることで、参加者の認識のずれや同じ議題で会議をもう一度開く事態も防止できます。
議事録は、なるべく議題に詳しいメンバーが取るようにしましょう。作成がスムーズになるだけでなく、確認の際にも簡単な説明で意思疎通が図れるようになります。
14.反省点を次回に生かす
会議を開いた際には、なんらかの反省点が出るものです。たとえば用意した資料を一切見ないで会議をすすめることができたのであれば次回以降は資料をなくすことを検討したり、参加必須でないメンバーがいれば次回から参加メンバーを減らしたりなど、反省点はしっかり振り返っておきましょう。
毎回の会議を有意義な時間にするために、改善すべきことは次回に生かすことが大事です。
15.会議の頻度を見直す
会議は工数を消費するものなので、会議を開く頻度を見直してみましょう。会議を多く行えば、それだけ人件費がかかります。慣例化してしまい、会議を開くことが目的になっていないか今一度確認してみましょう。会議を開く必要がなく、簡単な確認や短時間の打合せで済む場合もあります。
有名企業で実施されている会議効率化の事例
ここでは、有名企業で実施されている会議効率化の事例を紹介します。参考にして、自社に取り入れられそうなものを実践してみてください。
Googleでは、会議参加者をできる限り最小の人数にする、意思決定者を指名しておき意思決定の遅れを防止する、などの工夫を行い、効率的な会議を実現しています。
人数を減らしても、会議の後に業務関係者には議事録を送るようにして認識をあわせるなど、効率化で懸念される問題にも同時に対処することで、トラブル防止にも成功しています。
Apple
フリーディスカッションで会議を行うことで、自主的にアイディアを出し、受け身での参加を防止する形をとっています。そのおかげで、ディスカッションも盛り上がり、より洗練されたアイディアを数多く共有できるようになりました。
さらには他社事例にもあるように、会議の参加人数をできる限り少なくする、決定事項について責任者を決めるなども取り入れており、より効率的な形を目指しています。
トヨタ自動車
トヨタ自動車では、会議に資料を持ち込まず、フリートーク形式の会議を採用しています。これにより、会議をマンネリ化させることなく、無駄な資料作成の時間を削減することができています。
さらには、豊田社長の意向もあり、本音で議論することに重きをおいて役職による差をつけず対等な立場で議論を行うようにしています。意見交換もより活発に行われるようになりました。
キリンビール
キリンビールでは、社員の会議進行スキルを上げるために「質問会議」と呼ばれる会議の方式を取り入れています。「質問会議」は60分の間、「質問」と「回答」だけで進行し、問題の解決方法を探る方法です。進行役がいかに議論を引き出すかが重要なポイントになるスタイルです。
そのため、進行役を務める社員は、この進行スキルを身につけるため別途育成研修も受けることができるようにしています
まとめ
会議を効率化するには、日ごろからの「報連相(報告・連絡・相談)」を大切にするなどの工夫をし、会議にはコストがかかる認識を持つことが必要です。常に学ぶ姿勢も求められるでしょう。
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