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ニューノーマルな働き方とは何か
今、企業や個人にどのような変化が求められているか

2020年9月28日
 
ニューノーマル

新しい生活様式とともに、ニューノーマル(new normal)という言葉を多く見聞きするようになりました。ニューノーマルとは、社会的にも大きな影響のある出来事によって生まれた、新しい常態や常識を指します。現在のコロナ禍による新しい生活様式を実現するために、ニューノーマルな働き方への見直しも求められるようになりました。
 
この記事では、ニューノーマルな働き方として企業や一個人にどのような変化があるのか解説します。これからの自分自身の働き方を見直したい人も、ぜひ参考にしてください。

目次


ニューノーマル(new normal)とは

 
ここでは、ニューノーマルの言葉の意味とともに、ニューノーマルな働き方について解説します。
 

ニューノーマル(new normal)とは

ニューノーマルとは、新常態(新常識)とも呼ばれます。災害や不況などの事態が起きると、経済や社会が大きな打撃を受けますが、事態が収束しても、以前の状態に完全に戻ることは容易ではありません。そこで、以前の状態に戻るのではなく、常識や常体を構造的に変化させ、対応した新しい常識や常態がニューノーマルです。
 
ニューノーマルは、これまでも社会的に大きな事態が起きたときに提唱されています。最初はインターネット普及による社会変化後、次にリーマンショック後です。そして、今回のコロナ禍において、再びニューノーマルが注目されています。
 
いまだコロナ収束の目途が立たず、アフターコロナとしても経済や社会が以前と同じ状況に戻ることは難しいと考えられています。コロナ収束後に対応したニューノーマルとして、どのような変化が必要なのかを考えなければいけません。
 
今後は企業にも個人にも、生活や働き方への構造的な変化が求められるでしょう。しかし、変化とは、実際にどのような行動を起こしたらよいのでしょう。以下で、今回のコロナ禍の影響を受けて起きた、企業や個人の変化について解説します。
 

2020年のコロナ禍で起こった、日常や働き方の変化

 
新型コロナウイルス感染症の影響によって、日常生活や働き方の常識や常態は変化しました。ここでは、コロナ禍における日常生活や働き方の変化にはどのようなものがあるのかを解説します。
 

衛生管理やソーシャルディスタンスなど、感染防止策の徹底

新型コロナウィルスは、人と人との接触によって感染します。そのため、日常生活でも職場でも、コロナウィルスの感染防止対策の徹底が求められるようになりました。
 
感染防止策としては、飛沫防止のためのマスクの着用、ウイルスを媒介しないための手洗いやうがい、アルコール消毒の徹底、屋内や施設などに立ち入る際に検温や体調チェックを行う、などがあります。
 
また、人と人との間隔を保ち接触を防止する、ソーシャルディスタンスも常識となりました。
 

テレワーク(リモートワーク)が推進され、業務の進め方に変化が生じた

人が一か所に集まって仕事をするオフィスワークは、コロナウイルスのクラスターとなる可能性があります。また、通勤時の公共交通機関での密接を避けるためにも、出勤しなくてもできる業務は自宅で行う、テレワーク(リモートワーク)が推進されるようになりました。
 
これまで捺印が必要だった書類を廃止にする、書類をデータ化しクラウド管理するなど、出勤しなくても自宅で業務が進められるように変化しています。
 

消費者や取引先とも関係が変化した

コロナ禍における日常生活や働き方の変化は、事業者や企業における、消費者や取引先との関係にも変化をもたらしました。消費者、取引先の関係で変化した点を解説します。
 

対消費者

飲食店や小売店、サービス業など接客をともなう業態では、感染防止のため、接客時に客との距離をとる、または、接客そのものの機会を減らす取り組みが行われています。また、飛沫感染リスクの高い実演販売や試食販売などは禁止となりました。さらに、集客そのものを制限するために、営業時間の短縮や休業を余儀なくされた業態も多くあります。
 
消費者が感染防止のため外出を自粛し、消費活動そのものにも影響が出ました。たとえば、アパレル業界では、実店舗での販売ではなく自宅でショッピングができるECサイト事業を充実させています。飲食店では、実店舗での営業のほか、テイクアウトやデリバリーを始める店舗も多くなりました。
 
宅配事業の拡大を受けて、配達員と対面でなくても品物を受け取れる、置き配などのサービスも誕生しました。
 

対取引先

在宅によるテレワークが推進されたことで、取引先間でも多くの変化がありました。打ち合わせや商談などは対面ではなく、ZOOMなどのツールを使ってオンラインで実施されています。また、複数の人が集まる会議なども、オンライン会議として行われるようになりました。
 
取引先との直接対面を避けるようになったため、展示会などのイベントも開催されません。直接足を運ばず自宅で取引先との取引も完結するため、出張の機会も減りました。
 

早急に求められている働き方の変化

 
コロナ禍に対応したニューノーマルな日常生活や働き方が進められる一方、まだ対応しきれていない働き方もあります。働き方において、とくに早急に求められている変化を解説します。
 

テレワーク(リモートワーク)・在宅勤務が普通のことに

コロナ禍以前からも、働き方改革における多様な働き方としてテレワーク(リモートワーク)は推進されていました。ニューノーマルな働き方として、今後はテレワークや在宅勤務が当たり前となりつつあります。
 
外出自粛や休業を要請した緊急事態宣言が解除された後も、できる限りテレワークや在宅勤務が推奨されています。今回のコロナ禍以前よりも対応しきれていない企業には、テレワークや在宅勤務のできる体制を早急に整えることが求められています。
 

職場環境の整備を至急、進める必要がある

テレワークや在宅勤務を実現するには、環境整備が必要です。自宅から企業のシステムなどにアクセスが可能なwi-fi内蔵のパソコンの配布などのハード面から、システムやデータ共有のためのクラウド導入などのソフト面まで、さまざまなものを整備しなければいけません。
 
また、情報漏洩やコンピューターウイルス感染などのリスク管理も必要です。リモートでは、パスワード設定などセキュリティ面の整備も求められています。
 

働く側にとっても自己管理、自己マネジメントが重要になる

在宅勤務や時差勤務は、従来の定時内での働き方ではなく、ある程度柔軟な時間や場所のなかでの勤務が可能となります。そのため、働く側の自己管理や自己マネジメントも重要です。時差出勤や休暇の取得も含めて、自分の裁量で仕事を進めるからこそ、効率のよい仕事の進め方が求められます。
 
たとえば、自宅での勤務はプライベートとの境界線が曖昧になります。家族がいるから仕事が進めにくい、という場合もあるでしょう。出社しないことで家にこもりがちになり、ストレスとなる人もいます。そのため、在宅勤務や時差勤務における自己管理や自己マネジメントが求められるのです。
 

評価制度や社員教育、勤怠管理、採用活動等の見直し

ニューノーマルな働き方に変わることで、働き方そのものではなく、評価制度や社員教育、勤怠管理や採用活動なども見直しが求められます。たとえば、在宅勤務だからこそ生産性が評価基準として重要になります。勤務時間の長さではなく、大きな成果の出せる効率のよい働き方ができる社員が評価されるようにならなければいけません。
 
ほかにも、オンラインでの研修や面接など、新しい教育や採用における試みも企業には求められています。
 

オフィスの見直し

オフィスへ出社する必要がないため、必ずしもオフィスを都市部に構える必要がなくなります。都市部以外でも仕事ができるようになれば、転勤の必要性もなくなり、従業員の居住地の選択の幅も広がるでしょう。休暇を兼ねて仕事をする場所を変える、ワーケーションも可能です。企業として、シェアオフィスやサテライトなどの導入が求められます。
 
従来型のオフィスワークでは、感染予防のための対策が求められます。机の配置を横一列にする、距離を保つなど、接触や密を避けるための対策や、飛沫防止のためのパーテーションの設置が必要です。
 

人手不足への対応

コロナ禍におけるニューノーマルな働き方は、人と人との接触を避ける目的で行われます。そのため、テクノロジーを使った店舗やサービスのセルフ化や無人化が推進されます。人件費の節減になるほか、接客業や介護福祉事業など、人手不足の業種には人手を充足できる手段としても有効です。
 

定型業務の自動化なども活用

人手不足への対応として、定型業務の自動化も求められています。これまで手動でないとできなかった業務にテクノロジーを導入し自動化することで、人との接触を避ける感染防止対策にも、人手不足対策にもなります。
 
セルフ化や無人化、定型業務の自動化にはAIやロボットのテクノロジーの導入も視野に入ります。
 

サービスの形やビジネスモデルの見直し

コロナ禍におけるニューノーマルな働き方として、これまで、顧客へのアプローチは直接接する必要があったサービスの形やビジネスモデルは変化しています。人と人との接触を防ぐために、営業時間の短縮や休業をする店舗や事業も増えました。いつでもどこでも対面で商品やサービスが得られる、という環境ではなくなってきています。
 
特に飲食店やホテル、イベント、アミューズメント施設など、人が多く集まるサービスやビジネスモデルは、サービスの提供方法を変えたり、夜間や土日休業などへ見直されています。
 

接触機会の削減

人と人との接触機会を減らすためのさまざまな取り組みも、ニューノーマルな働き方として求められています。現金の受け渡しや対面を減らすためのキャッシュレス化、接客するスタッフのフェイスガード着用などです。また、レジや窓口などの対面業務を行う場では、飛沫防止の透明ビニールシートを配置、宅配スタッフとの接触を避けるための置き配なども導入されています。
 

ITの積極的な活用

ニューノーマルな働き方を実現するために不可欠なのが、IT技術です。これまでITを取り入れていなかった企業でも、積極的な導入や活用が求められています。たとえば、社内だけでなく、取引先との商談や会議もオンライン上で行われることが当たり前となります。
 
実店舗をもたない、オンラインショップなどのEC事業においても、今後はオフィスに出勤しなくても自宅で業務ができる体制づくりが必要です。そのために、ITの積極的な導入や活用が求められています。
 

ニューノーマル時代に働くために必要なこと

 
新型コロナウイルス感染症の収束後も、以前の経済や社会の状態に完全に戻ることはありません。企業も個人も、これまでの常識や概念にとらわれず、変化に順応する必要があります。ニューノーマル化した新しい働き方によって、新しい価値を積極的に構築していくことが、企業にも個人にも求められています。
 

まとめ

 
ニューノーマルとは、社会や経済に影響を与える出来事によって変化した、新しい常識や常態です。リモートワークや在宅勤務、新しい評価制度の構築、ITを使った無人化やセルフ化など、新しいビジネスモデルがニューノーマルな働き方として企業にも個人にも求められています。
 
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