オフィスにおける新型コロナウイルス感染対策は、従業員の健康を守り、快適に働くために必要な施策です。ウイルスはさまざまな経路で感染するため、オフィスの環境に応じて、感染予防を工夫することが重要です。この記事では、オフィスの新型コロナウイルス感染対策に効果的な方法や、レイアウトなどを解説します。オフィスの衛生管理を行う際に、ぜひ参考にしてください。
目次
オフィスに新型コロナウイルス感染対策が必要な理由
新型コロナウイルス感染対策は、従業員の健康を守るための法律やガイドラインが設定されていることから、重要視されています。以下で解説します。
従業員が安全に働ける環境の確保
企業は労働契約法の第5条において、従業員の生命、身体の安全に配慮することが義務化されています。従業員の安全を守るために、オフィス内の集団感染であるクラスターや感染の拡大などを防がなければなりません。新型コロナウイルスのクラスターは、1つの施設で約5人陽性者が出た場合に認定されます。労災に認定されるケースもあるため、オフィス内の新型コロナウイルス感染対策は重要です。
※参考:労働契約法について 厚生労働省
「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を守るため
「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」において、感染防止対策の取り組みが社会全体の感染症拡大防止につながるとされています。新型コロナウイルス対策の対象は、以下の通りです。
1.感染予防対策の体制
2.健康確保
3.通勤
4.勤務
5.休憩・休息・喫煙スペース、食堂
6.従業員に対する感染防止策の啓発等
7.感染者が確認された場合の対応
企業は上記の項目をもとに、オフィスの新型コロナウイルスの感染予防対策に取り組むよう努めることが重要です。職場はあらゆる場所で感染の可能性があるため、ガイドラインを参考に環境の整備が求められます。
※参考:職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防及び健康管理に関する参考資料一覧 厚生労働省
新型コロナウイルスの感染経路
新型コロナウイルスの感染経路は「空気」「飛沫」「接触」の3つです。以下で解説します。
空気感染
空気感染は、空気中にあるウイルスが体内に侵入する感染です。ウイルスの5㎛以下の飛沫核が空中に浮遊している状態から、空気の流れによって広範囲に拡散します。飛沫核とは、飛沫の水分が蒸発して内部の病原体が浮遊したものです。飛沫は咳やくしゃみ、会話などで空気中に残り、飛沫の感受性のある方が飛沫核を吸い込むことでウイルスに感染します。
飛沫感染
飛沫感染は、飛沫核が感受性のある方の粘膜から体内に侵入することによる感染です。ウイルスに感染している方が咳やくしゃみ、会話などで5㎛以上の飛沫を放出し、口腔粘膜、鼻粘膜、結膜などに付着することで感染します。くしゃみによる飛沫は半径2mの範囲に飛び散ることもあるので、手で抑えたりマスクをつけたりするなどの対策が必要です。
接触感染
接触感染は、ウイルスに感染している方の体液に触れて感染することです。体液に病原体が含まれている場合、目や鼻などの粘膜から病原体が侵入して感染します。感染した方のくしゃみや咳を手で押さえた後、除菌せずに周りの物に触れると周囲にウイルス感染の危険が高まります。電車のつり革やドアノブなど、通勤時間に感染する可能性もあるので注意しましょう。
オフィスのコロナ対策の具体的な方法
オフィスのコロナ対策には、マスクの着用や手洗い・うがいを徹底することが重要です。以下で具体的な方法を解説します。
マスクの着用
マスクは飛沫感染の拡大を防ぐ効果があるため、感染防止のために着用しましょう。空気感染を完全に予防することは難しいですが、マスクによってウイルスの拡大を防ぐ効果が期待できます。マスクは顔に密着するようにつけると、より効果を高められます。不織布マスクをつける場合は、プリーツが下向きになることを確認して、裏表が逆にならないようにつけましょう。
手洗い・うがい
手洗い・うがいは、接触感染を防ぐ効果が期待できる感染対策です。ハンドソープや石けんなどで指先と爪の間まで洗うことで、ウイルスの感染拡大を防ぎやすくなるでしょう。水で3回うがいをすることもウイルス対策になります。うがい薬は甲状腺に影響を与えることがあるため、医師や薬剤師に相談して使用してください。
ただし、手洗い・うがいは、空気感染や飛沫感染などを予防する効果は期待できません。
消毒
消毒は、接触感染を予防する効果が高い感染対策です。消毒に加えて、手洗いを徹底すると新型コロナウイルス感染対策の効果を高められます。オフィスの入り口やオフィス内などにアルコール消毒液を設置すると、手洗いができない場面でも消毒ができます。ただし、消毒は空気感染や飛沫感染の予防効果が低い点に注意が必要です。
オフィスで換気する際の注意点
オフィスは空気の循環が起こりにくいため、定期的に換気する必要があります。以下でオフィスを換気する際の注意点を解説します。
こまめに換気する
オフィス内は1時間当たり10分程度、1回〜2回の換気が必要です。自然の風の流れを作る「自然換気」を行い、窓やドア、換気口などから空気を取り入れましょう。外から入る空気と部屋から出る空気の2カ所の通り道があると、効率よくオフィス内を換気できます。オフィスに窓がない場合、サーキュレーターや空気清浄機などを使って換気をしましょう。
エアコンは換気できない
エアコンは室内の空気の温度を調整する機械なので、換気する機能はありません。換気扇や扇風機などの機械を使う「機械換気」や、キッチンの換気扇を利用してオフィスの空気の入れ替えを行いましょう。オフィスは換気しないと空気がこもり、ウイルス感染のリスクが高まるため、換気できる設備の整備が必要です。
湿度を管理する
オフィスの空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。ウイルス対策のためには適正な湿度を保つ必要があるため、室内の湿度は40%以上70%以下を基準にして管理することが重要です。冬のオフィス内の湿度は40%以上の基準を満たせていない場合があるため、加湿器を設置して湿度を維持しましょう。
オフィスに仕切りを導入する必要性
オフィスに仕切りを導入すると、くしゃみ、咳、つばなどの飛沫を予防する効果が期待できます。オフィスによっては、仕切ることで作業スペースが狭くなるので、大きさを調整して設置しましょう。透明性の高い仕切りを使うことで、オフィス内に閉塞感が生まれにくくなるのでおすすめです。
仕切りがあると従業員の安全が確保しやすくなり、接客時の対応でお客様に安心感を与えられます。ウイルス対策としてこまめに清掃を行い、清潔な状態を維持しましょう。
オフィスの新型コロナウイルス感染対策におすすめのレイアウト
新型コロナウイルスは、オフィスのレイアウトを変えることで効果的なウイルス対策が可能です。以下でおすすめのレイアウトを3つご紹介します。
同向型レイアウト
同向型レイアウトは、同じ向きにデスクを配置するレイアウトです。学校の教室と同じように従業員同士が向き合わない配置になるため、一定の距離を保つことでウイルスの感染対策が可能になります。ただし、オフィス内のコミュニケーションが取りづらくなり、デスクの数が減る点はデメリットといえます。
背面対向式レイアウト
背面対向式レイアウトは、従業員同士が背中合わせで座るオフィスのレイアウトです。オフィスのスペースを効率的に活用でき、コミュニケーションも取りやすくなります。左右の従業員同士で十分な間隔を取ると、ウイルス感染の対策に有効な間隔を保てるでしょう。ただし、部下の業務の進捗状況が把握しづらくなり、管理体制の構築が難しくなる点に注意が必要です。
ブース型
ブース型は、デスクをパーテーションで仕切るレイアウトです。新型コロナウイルス感染対策だけでなく、従業員が集中できる環境を構築できます。オフィスのスペースが必要になるため、面積を確保できるオフィスに向いています。従業員同士のコミュニケーションが取りづらくなり、業務の管理が難しくなる点にも注意しましょう。
まとめ
オフィスのウイルス感染対策は、健康を守るために必要な取り組みです。手洗いやうがいだけでなく、湿度の管理などを徹底してウイルス感染の予防を行いましょう。個人の取り組み次第で、オフィス内のウイルス感染の防止につながります。仕切りやレイアウトなども工夫して、オフィスの安全性を高めながら働くことが重要です。
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