豆知識4:在宅ワーク中のストレスから立ち直る力を身につける
在宅ワークには、柔軟なスケジューリングや通勤時間の節減など、多くのメリットがあります。一方で、在宅で働いていると孤独感を感じることがあります。不安定な日々とストレスの多いこの時期、落ち込んだ気持ちを立ち直らせるには、積極的に外に向かって働きかけを行うことが重要となります。ここでは在宅ワークという環境の中で、落ち込んでしまった気持ちを立ち直らせる方法をご紹介します。
在宅で働いていると、仕事は一人で進めるもの、と感じてくるかもしれません。しかしながら、自分一人で抱え込む必要はないのです。
ある調査によると、職場での対話は立ち直り力を高めることが分かりました。短期的な目標と将来の目標の双方について、職場のリーダーと頻繁に確認し合ってみてはいかがでしょうか。キャリアに関する会話は成長に不可欠であり、ちょっとした成長や前進が自身のモチベーションや満足度を高めてくれることを忘れないようにしましょう。もし今、目指している目標が高く現実的でないと感じているのであれば、少し目標を下げて、今何を達成したいのかを考え、リーダーの力を借りて、その目標を達成する道を歩んでみるのも良いでしょう。
高いパフォーマンスを発揮する人の中には、なんとかして苦境を乗り切ろうとする傾向があり、別名 "パニック・ワーキング "と呼ばれています。これは短期的には良い解決策のように見えるかもしれませんが、持続性がなく、燃え尽きてしまう可能性を含んでいます。ペースを落とし、ゆっくりと息抜きをしながら、長期的に見て、成果とモチベーションに繋がる意義ある仕事に集中するようにしましょう。
ストレスが高まっている時期には、その瞬間の気持ちにとらわれてしまい、長期的な視野に立って将来の可能性を見通すことができなくなってしまいます。立ち直る力を高めるには、長期的な視点で考えるようにし、不確実な状況が永遠には続かないことを理解する必要があります。
今は、長期的な目標や夢を再評価するのに良い時期です。現在の職務は、今後も続けていきたいものでしょうか?あなたに不足しているスキルは何でしょうか?将来的にどのようなキャリアを積んでいきたいと思っているのでしょうか?このような長期的な視点で考えることを心に留めておくことで、安心して将来について考えられるようになり、現在のモチベーションを高めることができます。
周囲とのサポート関係は、立ち直る力を生み出す上で最も重要な要素の一つです。仕事やタスクに追われている時に、頼ることができるネットワークがあるというだけでなく、自分のそばには必ず誰かがいるというシンプルなことを思い出させてくれる効果もあります。
あなたに送られてきた感謝の言葉や達成したプロジェクトに関するメールなど、あなたにとって大切と思えるメールを受け取ったら、それを削除したり、受信箱に入れたままにせず、専用のメールボックスを作り、その中に保管するようにしてみてください。今後、背中を後ひと押しして欲しい時、その中のメールを読み直せば、立ち直る力が湧いてくるでしょう。
立ち直る力とは、根性論や意志の強さと混同されることがありますが、それとはまったく別ものであることを理解してください。物理的な距離がある今、困難から立ち直る力は、周囲からのサポートやつながりによって培われます。たとえバーチャルであっても、手を差し伸べてもらうことは、今日の困難を乗り切り、キャリアの次のステップへと進む礎を築くのに役に立ちます。
豆知識5:生産性を高める在宅ワークスペースの作り方
急に在宅で働くようになった当初は、キッチンのテーブルやベッドルーム、スペースさえ確保できればどこでも働けると思えていたと思います。しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大の影響でリモートワークが長引く今、生産性を向上させるためにできる、在宅でのワークスペースを確保する方法をご紹介します。
ZoomやTeamsよる通話や、複数デバイスの同時利用、オンライン学習などによって、インターネットの速度が遅くなっていませんか?ダイヤルアップでインターネットと繋がっていた時代のようにストレスを感じながら待つ必要はありません。ネットワークのアップグレードや最適化など、通信環境を改善する検討をしてみましょう。
自宅で仕事をしていると、ずっとオフィスにいるかのように感じることがあります。
通勤時間が減ったことで時間的な余裕ができたという便利な面もありますが、常に働いているような精神状態になってしまい、燃え尽きてしまうという側面もあります。できる限り、働く場所と生活空間に境界線を設けるようにしましょう。物理的に環境を分けるのが無理であっても、働く場所から離れる時間を設定するなど、気持ちの上で何らかの境界を設けるのが重要です。オフの時間に仕事に戻ってしまわないよう、仕事で使うPCに「今はオフの時間」とポストイットを貼るなど、自分自身のオンとオフをしっかり分ける工夫をしましょう。
在宅で仕事をする場合、業務専用の機器を使って働くことが、よりオフィスに近い環境となり、集中力を高める一助となります。
業務専用の機器を使っている時は、「オン」の時間と意識する習慣づけにもなります。PCやスマートフォン、タブレットなど業務専用機器以外を利用するのは、オンとオフの区別がつかなくなり、生産性が落ちる要因となりますので、極力避けましょう。業務に関わるあらゆる情報は、1つのデバイスに集中させておくことが生産性のカギとなります。
他人との交流なしに仕事はできないものですが、電話やチャット、メールなどの交流が生産性に影響を与えることがあります。特に、何かを必要としてコンタクトをしてきているのが、あなたにとって重要な人物である場合は特に影響を受けやすくなります。本当に集中しないといけない時には、オフィスで働いていた時にしていたように、「離席します」「●●時以降に連絡します」「今は集中タイムです」などのメッセージが伝わるようテクノロジーをうまく活用してみましょう。
どのような在宅環境でも、柔軟性と生産性のバランスをとることが大切です。必要に合わせて、そのちょうど良いところを模索していくことが、在宅ワークで快適に業務をこなすカギとなるでしょう。
豆知識6:仕事による極度の疲労とパンデミックの壁に立ち向かう方法
昨年から始まった新しい働き方は、次々と襲いくる壁に挑み続けているような印象なのではないでしょうか。もし、あなたがそう感じているとしても、安心してください、あなたは一人ではありませんし、ストレスに対抗するための手段があります。本コラムでは、蓄積される極度の疲労感を撃退する方法をご紹介します。
マネージャーや所属する組織は、あなたが必要としているサポーの内容が分かれば、必ずサポートしてくれます。状況に応じて、サポート方法は変わるでしょう。例えば、子供たちが学校に行けなくなり、自宅から勉強することになって、親として子供の世話をしなければいけなくなってしまった場合には、日中に働くのではなく、夜間帯に働けるよう、スケジュールを変更させてもらうことで、状況が改善できるかもしれません。また、ネットを介して「常につながっている」ことになるデジタルワークにストレスを感じている場合には、休暇の取得を申し出るのが有効かもしれません。自身のニーズをオープンに伝えて話し合えれば、必要なサポートが必ず得られる筈です。
職場の人間関係は、心身の健康を保つために非常に重要ですが、互いにリモートで働いている場合には、その関係維持が難しくなることがあります。意識的に声をかけて一緒にコーヒーを飲む休憩時間を設けたり、精神的、物理的、感情的なサポートを提供してくれる同僚や上司とおしゃべりしたりすると良いかもしれません。例えそれがバーチャルな集まりであっても、「繋がる」ことで生まれる力を軽んじてはいけません。
あなたが苦労しているということは、他の人も同じように感じている、と思って間違いありません。手を差し伸べて褒めてあげたり、仕事を手伝ってあげたり、ランチのデリバリーをプレゼントしたりすることは、相手のサポートになるだけでなく、自分の気分を上げてくれる効果もあります。優しさや思いやりが、個々の気分を上げ、回復力を高める最も手っ取り早い方法の1つであることが研究で明らかになっています。
高いパフォーマンスを発揮できる人でも、アドレナリン全開で走り続けることができる時間は決っています。心と体にはダウンタイムと定期的な休息が必要なのです。集中する時間と、リラックスし回復する時間を交互に設けてください。ハードワークと休息のリズムは、時間をかけてバランスさせる必要があります。心を平和に保つためにプラグを抜けるタイミングの線引きをしっかりし、英気を養う時間を設けてください。
最後に、基本的なことをしっかり行うことを心掛けましょう。昼休みをきちんと取り、近所を散歩する時間を作り、推奨されている7~9時間の睡眠時間を確保することで、最高の状態で働けるよう心身を整えましょう。心を休め、やる気と集中力を高めてから前に進み続けられるよう少し仕事を離れても、仕事は逃げずに必ずそこにありますから。