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派遣社員にボーナス(賞与)は支給される?
年収を上げる方法まで解説

2025年2月6日
 
派遣 給料

派遣社員として働くうえで、ボーナスが支給されるのか気になる方もいるでしょう。残念ながら、派遣社員にボーナスを支給されるケースは少ないといえます。
 
本記事では、派遣社員にボーナスが支給されない理由や、例外的にボーナスが支給される派遣社員の働き方について解説します。年収を上げる方法まで紹介するため、収入を上げたい派遣社員の方はぜひ最後までお読みください。

目次


派遣社員へボーナス(賞与)が支給されるかは会社により異なる

派遣社員であっても要件を満たせば、ボーナス(賞与)を支給される可能性があります。労働契約の種類によってボーナスの有無を決めることは、法律で禁止されているためです。派遣社員だけでなく、パートやアルバイトも要件を満たしていればボーナスが支給されます。
 
ただし、派遣社員がボーナスを支給されるケースは少ないでしょう。派遣社員の給与は、派遣先企業が派遣会社に支払う金額から捻出されます。時給と働いた時間で計算するルールに基づいて、給与が支給される仕組みです。
 

そもそもボーナス(賞与)とは?

ボーナスとは、毎月支払われる給与とは別に支給される金銭です。支給日までの半年間を査定対象として、会社の業績や個人の実績によって支給される金額は異なります。
企業にはボーナスを支払う義務はなく、会社の規定で定められている場合のみ支払わなければなりません。
 

労働者派遣法の同一労働同一賃金とは

2018年、労働者派遣法の改正により、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の待遇差解消を目指す「同一労働同一賃金の制度」がスタートしました。どのような雇用形態であっても、同じ仕事をしていれば、同じ賃金が支給されます。
 
大企業では2020年4月、中小企業では2021年4月から適用されています。
 
同一賃金同一労働は、何を基準として同一とみなすかがポイントです。続いて、同一賃金同一労働の方式について見ていきましょう。
 

同一労働同一賃金の方式

派遣会社で働くときには、以下のどちらかの形式の同一労働・同一賃金が設定されています。
 
● 派遣先均等・均衡方式
● 労使協定方式
 
それぞれの方式について見ていきましょう。
 

派遣先均等・均衡方式

 
派遣先均等・均衡方式とは、派遣先企業の正社員に適用される給与や賞与の規定を、派遣社員に適用する方式です。派遣先企業が変わるごとに、派遣先の規則に合わせて給料や福利厚生などの待遇が変更されます。
 
派遣先企業にボーナスの規定がある場合は、派遣社員にも支給されます。しかし派遣先企業によっては、ボーナス制度自体がないことも珍しくありません。
 
派遣先企業が派遣会社に対して細かい規則を開示する必要があるため、自社の情報の公開をためらい、実際にこの方式を採用している会社は少ないといえます。
 

労使協定方式

 
労使協定方式とは、派遣会社の基準に合わせて同一労働同一賃金のルールが適用される方式です。派遣会社の基準には、派遣社員の業務内容や仕事の成果による給与の基準、有給休暇や各種手当の支給などが定められています。
労使協定方式を採用している派遣会社は、毎年6月30日までに職種ごとの人数・職種ごとの平均賃金額を国に報告する必要があります。
労使協定方式を採用している会社のホームページには国に報告した2点の内容が提示されているため、契約前に確認しておきましょう。
 

派遣社員でもボーナスの支給を見込める働き方

派遣社員でもボーナスの支給を望む方は、以下の働き方に挑戦することも手段のひとつです。
 
● 無期雇用派遣
● 紹介予定派遣
 
それぞれの働き方について解説します。
 

無期雇用派遣

 
無期雇用派遣とは、派遣会社と期限がない無期雇用契約を締結した働き方です。無期雇用派遣は、常用型派遣とも呼ばれています。
 
無期雇用派遣は派遣会社との契約のため、派遣先企業が変わっても支払われる給料は一定です。派遣会社の社員として働くため、派遣先企業との契約が切れ、紹介を受けるまでの待機期間も給与が支給されます。
 
無期雇用派遣について詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
 
【社労士監修】無期雇用派遣のメリット・デメリット
 

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣社員として6ヶ月働いたあとに正社員として雇用される可能性がある働き方です。正社員として雇用されることでボーナスの支給が見込めます。
 
6ヶ月の期間内はあくまでも派遣社員の扱いとなり、派遣先企業の基準をクリアした場合に正社員として登用されます。双方の合意があれば、紹介予定派遣の契約中であっても直接契約ができます。直接雇用になると、企業が採用者の適性があるかを判断するための試用期間が設定されません。
 
もし不採用だった場合は、企業から派遣会社に通知する必要があります。派遣社員は派遣会社から、直接雇用に至らなかった理由を書面で受け取ります。
 

無期雇用派遣のメリット・デメリット

 
ここからは、無期雇用派遣のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
 

無期雇用派遣のメリット

無期雇用派遣のメリットは、派遣社員の働き方にかかわらず3年以上働けるため、仕事が安定していることです。
 
2018年の労働者派遣法の改正によって「人で3年ルール」が開始されました。「人で3年ルール」とは、派遣先企業の同一部署で派遣社員が働ける期間を3年と定めているルールです。
 
無期雇用派遣は一般的な派遣の働き方と異なり、「人で3年ルール」は適用されないため、長期間働けます。
 
また無期雇用派遣は毎月月給で支払われるため、収入が安定します。ボーナスや交通費も支給され、派遣先企業で働くこと以外は正社員と近い働き方といえるでしょう。
 

無期雇用派遣のデメリット

無期雇用派遣のデメリットは、派遣先企業を決められないことです。一般的な派遣の働き方であれば派遣先企業を選んだうえで就労開始できますが、無期雇用派遣は派遣会社からの業務命令で就業するため、勤務先を選べません。
 
通勤時間が長くなる企業に派遣されたり、社風が合わない企業に就業したりすることもあります。ただし、エリアや部署の移動は正社員でもあり得ます。
 
また一般的な派遣登録に比べて、採用までのハードルが高くなりがちです。無期雇用派遣は一般的な派遣と異なり、採用試験によって面接や書類選考があります。
 
ポテンシャル採用をする派遣会社も増えているため、モチベーションをアピールすれば選考を通過できるでしょう。
 

紹介予定派遣のメリット・デメリット

 
ここからは、紹介予定派遣で働くメリット・デメリットを詳しく解説します。
 

紹介予定派遣のメリット

紹介予定派遣のメリットは、直接雇用に切り替えられることです。職場で半年間勤務してから、直接雇用を検討することによって、自分に合う会社かどうか判断できるでしょう。業務内容や求められるスキル、社風、自分の働く条件と合うかどうかを実際に確認できます。
 
紹介予定派遣では、即戦力だけでなくポテンシャルや将来性を考えて採用する求人が多くあります。新しいキャリアに挑戦したい方に向いているでしょう。
 
また正社員になるまでの期間、派遣会社のサポートを受けられます。派遣先企業に直接は伝えにくいことでも、派遣会社を通じて質問できます。派遣会社の担当者は、派遣先企業からの指示についての相談相手にもなります。
 

紹介予定派遣のデメリット

紹介予定派遣のデメリットは、直接雇用されるとは限らないことです。半年間働いたうえで正社員になれないことを見越して、初めから正社員の求人に応募する方も少なくありません。
 
加えて、派遣会社で働いていたときと福利厚生が変わる可能性があります。派遣社員のときに適用される福利厚生は派遣会社のものですが、直接雇用の場合は就業先のものに変わります。
 
スキルアップの講座や休暇制度が異なるため、デメリットに感じる方もいるでしょう。しかし、会社によっては福利厚生が派遣会社のときよりも充実している可能性もあります。
 
また派遣期間中の在籍期間がカウントされないため、直接雇用になってから有給休暇取得までの期間が長くなる可能性があります。会社によっては、病欠に有給をあてられないかもしれません。
 
しかし、病欠の場合は有給を先取りさせてくれたり、派遣期間も算定期間とすると定めていたりする企業もあります。
 

派遣社員が年収を上げる方法

 
派遣社員が年収を上げたい場合は、以下の方法に挑戦してみましょう。
 
● 資格を取得する
● 派遣会社の担当者に相談する
● 派遣先企業を変更する
 
それぞれの方法について詳しく見ていきます。
 

資格を取得する

仕事に関する資格を取得すると、時給アップを目指せます。契約更新時に資格と仕事の実績をもとにして、時給の交渉ができるかもしれません。
 
事務職であればMOSや簿記などの資格を取得すれば、業務に活かせるでしょう。もちろん資格だけでなく、コミュニケーション・スケジュール調整能力などのスキルアップも不可欠です。
派遣社員が身につけておくべき資格を詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
 
派遣社員が身につけておくべき資格9選
 

派遣会社の担当者に相談する

また、派遣会社の担当者に時給を相談することも手段のひとつです。派遣先企業との時給は、派遣会社との契約で決められています。
 
仕事の成果によっては派遣先の担当者が派遣先企業と交渉し、時給を上げられる可能性があります。派遣会社の担当者に相談するときは、あらかじめ目に見える実績をまとめておきましょう。
 
担当者が交渉するときの材料になり、時給が上がる可能性が高まります。
 

派遣先企業を変更する

スキルアップをしたり、派遣会社の担当者に相談したりしても、派遣先企業の懐事情によっては時給が上がらない可能性があります。年収を上げるために、時給の高い派遣先企業に就業先を変更するのも手段のひとつです。
 
しかし、頻繁に派遣先企業を変えていると、派遣会社からネガティブな印象を持たれるおそれがあります。頻繁な変更によって、派遣先企業と派遣会社の関係が悪化する可能性があるためです。
 
派遣契約の更新・満了した際に、新たな派遣先企業に応募しましょう。
 

まとめ

 
派遣社員には、基本的にボーナスは支給されません。しかし、無期雇用派遣や紹介予定派遣から正規雇用されることで、ボーナスが支給される場合があります。
もし年収を上げたい場合は、資格の取得や派遣会社の担当者に相談することも手段のひとつです。
 
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