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派遣にまつわる疑問にお答え ~有給休暇編~

2019年9月30日
 
派遣 有給 休暇

政府が主導する「働き方改革」などの社会情勢の後押しもあり、徐々にではあるものの有給休暇の取得がしやすくなりつつあります。では、派遣社員が有給休暇を取得するにはどうすればいいのでしょうか。また、退職が決まった後でも有給休暇を取得するには、誰に、どのように申請すればいいのでしょうか。

この記事では、有給休暇の法律の仕組みから派遣社員が有給休暇を取得する際の具体例までわかりやすく解説します。

目次


正社員が有給休暇を取得できるのは知っていますが、派遣社員でも有給休暇をもらえるのでしょうか?

A. 派遣社員でも有給休暇は取得可能です

有給休暇は、正式名称を「年次有給休暇」といい、付与の対象を「労働者」としています(労働基準法第39条)。つまり派遣社員だからといって有給休暇をもらえないということはありません。ただし、派遣社員の場合、申請先は派遣元の会社になります。
 
有給休暇を取得するまでの流れは以下のようになります。
 
1)派遣元から有給休暇が付与される
2)有給休暇を取得しても、派遣先の業務に支障が出ないことを確認する
3)派遣元に有給休暇を申請する


年次有給休暇という言葉をよく聞くのですが、詳しくはよくわかりません。どのような制度なのでしょうか。

A. 年次有給休暇について解説します

年次有給休暇とは、労働基準法39条によって定められた労働者に与えられる権利で、取得しても給料が減ることのない休暇のことです。
 
付与される条件は、半年以上勤務しており、8割以上出勤していることで、1週間に何日間働いているかによって、付与される有給日数は変わります。また、働いた年数が増えるほど、付与される年次有給休暇の日数も増加します。
 
なお、年次有給休暇は、正社員だけでなく、派遣社員やパート、アルバイトでも取得できます。


有給休暇の日数や有効期限は、法律によって決まっているのでしょうか。

A. 日数と期限について解説します

有給休暇の日数は法律で決められています。
週5日間フルタイムで半年間働くと、有給休暇は10日間、取得できるようになります。以降勤続年数が6年目まで、1年増えるごとに1日ずつ増加します。
 
また、有給休暇は付与された後、無限にとっておけるわけではありません。有給休暇には有効期限が存在します。有給休暇の有効期限は、付与された日から2年間です。2年を過ぎると、残っていた有給休暇の日数は消滅してしまうので注意しましょう。
 
例えば、初年度の10日のうちの7日分が未取得の場合、2年目はその年に付与される11日分と前年の残りの7日の合計18日分の有給休暇が取得できます。

一般的には、2年目にも有給を2日間しか取得できなかった場合、初年度に取得した残りの有給である5日間は有効期限が切れてしまいます。しかし、企業によっては新しく付与された有給から消化される場合もありますので、確認しておきましょう。
 
2年で消滅してしまうからといって、有効期限ギリギリに一気に消化すると、通常の仕事が滞ってしまうことにもなりかねません。できるかぎり有給休暇は定期的に消化するようにしましょう。


有給休暇中のお給料は、1日出勤したときと同じだけ発生するのでしょうか。

A. 出ます。計算方法があるので解説します

欠勤と違い、有給休暇ではお休みをしてもお給料は支払われます。なお、支払われる金額は大きく分けて3つの計算方法で決められ、企業によって違います。
 
1)平均賃金
2)通常賃金
3)健康保険法の標準報酬日額
 
「平均賃金」は取得日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額をいいます。役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等も含まれます。
 
「通常賃金」は労働者に対し、「通常賃金」は労働者に対し所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金のことをいいます。役付手当、勤務地手当は含まれますが、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当は含まれません。
 
標準報酬日額とは、標準報酬月額を30で割った金額です。「健康保険法の標準報酬月額」は毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した金額をいいます。役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等も含まれます。また、これを採用する場合、あらかじめ労使協定を結ぶ必要があります。
 
一般的には前述したとおり、計算方法は企業によって異なるので、労働条件を確認しておきましょう。
マンパワーグループではご登録時やご就業の際にご説明させて頂いておりますが、ご不明な場合はいつでもご相談ください。


派遣先が変わる予定があるのですが、派遣先が変わると有給休暇の残日数はリセットされるのでしょうか。

A. 派遣元が同じであれば、有給休暇は引き継がれます

派遣元が同じで派遣先だけが変わった場合、有給休暇の残日数はリセットされません。新たに半年間働かなくても、残っていた有給休暇が継続して使えるので安心してください。
 
派遣社員が有給休暇を付与されるのは、派遣先からではなく派遣元の派遣会社からになります。そのため、派遣先が変わっても、有給休暇は持ち越すことができるのです。
 
ただし、新しい派遣先が決まるまでに空白期間が一定期間あった場合、付与された年次有給休暇はリセットされてしまい、この期間は派遣元によっても違いますので注意が必要です。派遣先が決まらず、勤務していない場合は、有給休暇付与の条件である継続勤務を満たすことができなくなるからです。そのため、契約が満了する前に、早めに次の就業先を決めるようにしましょう。
 
また、派遣元を変えると有給休暇を持ち越すことができません。新たな派遣元で半年以上勤務しないと有給休暇を取得できないので注意しましょう。


退職が決まっているのですが、有給休暇は取得できますか。

A. 契約期間満了日が決まっている場合の有給休暇の取得方法を説明します。

契約期間満了日が決まっていても、有給休暇が残っていれば、通常通り取得することはできます。引継ぎなどを考慮して職場と相談のうえ、取得しましょう。
 
退職前の有給休暇の取得方法には2種類あります。
・有給休暇取得の後に最終出社日を迎える
・最終出社日の後に有給休暇取得を行う
 
後者の場合、書類上の契約終了日に出社しなくても問題ありません。
これらの有給取得方法は、職場の慣例に大きく左右されます。自分で選ぶこともできますが、派遣先の職場と相談しましょう。退職を決めたら少しずつ有給休暇を取得して仕事の調整しておくことをおすすめします。また、派遣元が同じであれば次の派遣先で有給休暇を持ち続けることができるため、次の派遣先で取得することも考え計画的につかいましょう。
 
 

通常の有給休暇の取得方法

有給休暇はスケジュールを調整し上司に相談してから申請するのが一般的です。退職前でも、それは変わりません。しかし、派遣社員として就業している場合少々異なる部分が出てきます。派遣先と派遣元の両方が絡んでくるからです。この場合、派遣先と派遣元のどちらに申請すればいいのでしょうか。
 
有給休暇を申請する際は、就業規則で決められた申請期限までに派遣元に申請する必要があります。基本的に有給休暇は派遣元が付与するものなので、派遣先に申請する必要がないのです。
 
ただし、これはあくまでも「有給休暇の申請」の話です。派遣先のスケジュールに合わないのに、無理に休暇をとるとトラブルが発生してしまいます。必ず就業先とスケジュールを調整したうえで、派遣先の上司の許可をとってから派遣元に有給休暇を申請しましょう。
 
 

有給休暇が消化しづらい場合の対処法

例えば、派遣先が繁忙期の場合、あなたに有給休暇を取得されると派遣先は困ってしまいます。これは正社員でも同じです。休暇の希望日までにゆとりをもって相談するなどの配慮をするようにしましょう。
 
また、事前のコミュニケーションに注意したり、業務対応がスムーズになるような体制を整えるなど普段から配慮することで、有給休暇を気持ちよく取得することができるでしょう。


有給休暇の取得が法律で義務付けられたと聞いたのですが、派遣社員にも適用されるのでしょうか。

A. 適用されます

「有給休暇の取得義務化」は2019年4月1日に施行されました。この法律によると、年10日以上の有給休暇を付与された従業員に対し、企業側が時季を指定して年5日間の有給休暇を取得させることが義務付けられたのです。
 
もちろん、5日間を自主的に取得している従業員は対象外になりますが、企業側の義務として年10日以上の有給休暇が付与された全ての従業員に5日以上の有給休暇を取得させることが法律で決定した、ということになります。
 
この法律は、派遣社員にも適用されました。この法律の対象となるのは「年10日以上の有給休暇が付与された従業員」です。すなわち、派遣社員であろうとパートであろうと、年10日以上有給休暇の権利を付与されていれば適用されます。


派遣社員が有給休暇を取得したいと考える場合、一般の正社員と比べてハードルが高いと感じる方も多いと思います。しかし、実際に制度として認められているものなので、ステップを踏み配慮をすれば、問題なく取得できるのも事実です。
 
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