
新型コロナウイルスの流行によって社会情勢が変化し、在宅で働く人が増えています。正社員だけでなく、派遣社員も在宅で仕事をする方が少なくありません。本記事では、在宅派遣の概要や向いている人、メリット、デメリットなどを解説します。在宅派遣のお仕事を検討されている方や求人をお探しの方は、参考にしてください。
目次
在宅派遣とは
在宅派遣とは、派遣会社と契約したスタッフが在宅で仕事をすることです。在宅で働いていても条件を満たせば雇用保険に加入でき、派遣会社の福利厚生も受けられます。
在宅派遣で働ける職種は、パソコンで仕事が完結するような一般事務やエンジニアなどの仕事です。
在宅勤務・テレワークとの違い
在宅勤務は、出社せずに仕事をする働き方を指します。在宅派遣も、在宅勤務と同様の働き方で仕事を進めます。
テレワークとは、場所や時間の制限がない働き方のことです。1週間や1ヶ月といった期間のうち、決められた時間数だけ働きます。テレワークには企業に雇われて働く雇用型と、フリーランスや小規模事業者が働く自営型の2種類があります。在宅派遣は、雇用型のテレワークと同じ働き方です。
なお、インターネットのクラウドソーシングサイトを通じて働く形式は、派遣契約ではなく業務委託契約です。業務委託契約には福利厚生制度はなく、あくまでフリーランスや副業の働き方といえます。
在宅派遣の種類
在宅派遣は勤務場所・時間によって、働き方に以下のような種類があります。
● フルリモート勤務
● ハイブリッド勤務
それぞれの種類について詳しく解説します。
フルリモート勤務
フルリモート勤務は、派遣社員が常に自宅で仕事をする働き方です。フルリモート勤務の求人は、主にIT関連やクリエイティブ分野の仕事で募集されています。
フルリモート勤務は自宅で仕事が完結できるように、派遣会社からパソコンや電話といった備品を貸し出してくれるケースがあります。通勤する必要がなくフレキシブルに働けるので、職場から遠方に住んでいる方におすすめです。
しかし、フルリモート勤務は周囲の目がないため、スケジュールをしっかりと管理し、自律して働く必要があります。また会社のメンバーと直接交流することがなく、孤独を感じやすいでしょう。フルリモート勤務の働き方は、自分でスケジュール管理をしながら働き続けられる方に向いています。
ハイブリッド勤務
ハイブリッド勤務とは、業務内容や状況に応じて自宅と職場で働く働き方です。また求人によっては、週2~3日は出社と決められているケースも珍しくありません。
ハイブリッド勤務は、資料やパソコンの持ち出しなどで荷物が多くなりがちです。在宅と出社で仕事のリズムが異なるため、家事や育児などをどのように進めるのかを決めておく必要があります。
在宅派遣の主な職種
在宅派遣として働ける職種は、以下のとおりです。
● 一般事務
● データ入力
● コールセンター
● エンジニア
● ライター
それぞれの仕事内容について見ていきましょう。
一般事務
一般事務の仕事内容は、データ入力や書類作成などです。未経験から応募可能の求人も多く、研修期間が終了し、仕事に慣れてきたら在宅派遣の一般事務として活躍できるでしょう。
一般事務の仕事が気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
一般事務の仕事内容とは?給料から必要なスキル・身につくスキルまで詳しく解説
データ入力の仕事
データ入力の仕事はリストやデータをもとに、WordやExcelへ入力することです。営業データの入力だけでなく、仕訳入力や計算書の作成などの求人もあります。
正確なタイピング能力が求められるため、自分のスキルに不安な方はパソコンで練習しておきましょう。
コールセンターの仕事
コールセンターの仕事は、通販サイトの窓口対応や顧客からの問い合わせ対応などです。会社によっては、メール・チャット対応だけでなく、貸し出された電話を使って通話対応をする求人もあります。
コールセンターの求人はマニュアルが完備されており、未経験であってもフォロー体制が充実している傾向にあります。
コールセンターの仕事内容や働き方に興味がある方は、以下の記事をチェックしてみてください。
コールセンターの仕事内容とは?インバウンドとアウトバウンドの違い、重要性を解説
エンジニアの仕事
エンジニアの仕事は、プログラムを円滑に動かすシステム設計や運用、保守などです。在宅派遣のエンジニアとして募集されている職種には、システムエンジニアやフロントエンドエンジニアなどがあります。エンジニアの在宅派遣の特徴は、仕事内容によってフルタイムから短時間の仕事まで幅広く選択肢があることです。
エンジニアの仕事に挑戦してみたい方は、こちらの記事で仕事内容やスキルをご覧ください。
エンジニアとは?職種別の仕事内容や、エンジニアの必要スキルを解説
ライターの仕事
ライターの仕事は、Webサイト・SNS用のライティングや原稿のチェック・修正などです。生成AIの台頭により、AIがライティングした原稿の編集やチェックなどを担当するケースもあります。なかには未経験可の募集もあり、初心者の方でもチャレンジしやすいでしょう。
事務派遣の在宅勤務の5つのメリット
在宅派遣で働くメリットは、以下の5つです。
● どこでも働ける
● プライベートを安定させやすい
● 人間関係のストレスを軽減しつつ交流はある
● スキルアップできる
● 女性のライフステージに合わせやすい
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
どこでも働ける
在宅派遣の最大のメリットは、どこでも働けることです。持病や子育て・介護との両立で通勤が難しい方でも働きやすいでしょう。
地方在住で仕事の選択肢が限られる方でも、在宅勤務なら希望の職種を選んで働けます。また、遠方への引っ越しをしても、在宅派遣であれば同じ企業で働き続けられます。
プライベートを安定させやすい
在宅派遣は自宅にいながら働けるため、介護や育児、家事と両立させやすいこともメリットのひとつです。
まとまった時間が拘束され、フルタイムで働くのが厳しい方でも家庭の事情に合わせて働けます。平日しか開いてない病院や銀行などに行く場合も、スケジュールを調整しやすいでしょう。また通勤時間が不要になるため、プライベートの時間を増やしやすくなります。
人間関係のストレスを軽減しつつ交流はある
働くうえで、上司や同僚との人間関係に悩む人は多いでしょう。考え方が合わずに我慢していると、ストレスで体調やメンタルに支障をきたす方も少なくありません。在宅勤務であれば自分のペースで働け、対面で関わる人間関係のストレスを軽減できます。
しかし、在宅によって職場の人間関係のストレスは少ないものの、孤独感をもってしまうこともあるでしょう。チームで働く職種では、職場に出社すれば上司や同僚との交流があります。ただ、在宅派遣でもチャットやメールなどで仲間と連絡を取り合いながら働けば、孤独を感じにくいでしょう。
スキルアップできる
在宅勤務は周囲に上司や同僚がおらず、メールやチャットを通して質問をします。出社勤務に比べると、気軽に質問はしにくいかもしれません。
疑問を解決したり仕事を効率的に進めるためには、ある程度自分で考えたり、調べたりする必要があります。在宅派遣は自分自身で思考力やリサーチ能力を高めることが求められる働き方です。スキルアップしたい方には向いているといえるでしょう。
女性のライフステージに合わせやすい
妊娠や出産、育児によって離職する女性は少なくありません。しかし在宅勤務であれば負担を抑えられるため、ライフステージが変化しても仕事を続けやすいでしょう。
事務派遣の在宅勤務の2つのデメリット
在宅勤務には多数のメリットがある一方で、以下のデメリットもあります。
● 就業時間の自由度は高くない
● コミュニケーションが取りにくい
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
就業時間の自由度は高くない
在宅ワークは自分の都合に合わせて働けるケースがほとんどですが、在宅派遣の事務職は就業時間の自由度は高くありません。電話対応や問い合わせ対応などの業務は、企業の営業時間に合わせて9~18時といった就業時間が決められているためです。
就業時間を自由に選びたい場合は、フレックスシフトの求人を探しましょう。
コミュニケーションが取りにくい
質問やわからないことをメールやチャットなどで質問するときは、直接訊くのに比べるとコミュニケーションは取りにくいでしょう。言葉だけでは細かなニュアンスを伝えるのが難しく、相手に誤解を与えてしまうこともあります。
相手に配慮して、意図が伝わるように簡潔で的確な質問をすることが大切です。また、出勤してすぐや退社直前など、忙しい時間は避けるようにしましょう。
在宅派遣に向いている方
在宅派遣には、以下のような方が向いています。
● 育児・介護と仕事を両立させたい方
● 自宅からの通勤圏内に希望の仕事がない方
それぞれ詳しく解説します。
育児・介護と仕事を両立させたい方
会社に出社しながら育児・介護をしていると、子どもの急な体調不良や親の病院付き添いなどでスケジュール調整が難しいでしょう。時短勤務や休暇制度を利用しても、職場のメンバーへの配慮や仕事の進捗が気になる方も多いはずです。
在宅派遣であれば出社する必要がないため、通勤時間を育児・介護の時間に当てられます。昼休憩時に家事を済ませられるケースもあり、時間を有効に使いやすいでしょう。
自宅からの通勤圏内に希望の仕事がない方
在宅勤務であれば、場所を選ばずに仕事ができるため、希望の職種に就けるかもしれません。
しかし急を要する事態の場合、出社が必要になる可能性があります。勤務先から遠いエリアに住んでいる場合、フルリモート勤務なのかを確認しておきましょう。
在宅派遣の注意点
在宅派遣で働くうえで、以下の注意点があります。
● インターネット環境が不可欠になる
● 自身でのスケジュール管理が必要
それぞれの注意点について見ていきましょう。
インターネット環境が不可欠になる
在宅派遣の仕事は、パソコンひとつで完結するものがほとんどです。そのため、自宅のインターネット環境を整えておく必要があります。派遣先企業とミーティングする可能性があり、円滑なコミュニケーションを図るためにインターネット回線を契約しておきましょう。
自身でのスケジュール管理が必要
就業時間中はクラウド型の勤怠管理システムで管理されているケースもありますが、基本的に他人の目がありません。計画的に仕事を進めるためには、スケジュール管理能力が不可欠です。慣れないうちは、手帳やカレンダーアプリなどを活用して、スケジュールを管理しましょう。
スケジュール管理能力を上達させたい方は、こちらの記事をお読みください。
仕事におけるタスク管理・スケジュール管理の方法とは? コツを知って仕事を効率化しよう
未経験から在宅派遣はできる?
未経験からでも在宅派遣として働ける求人も募集されています。コールセンターや一般事務の職種は、特に未経験から応募可能としている求人も多いでしょう。
しかし、企業によっては研修期間や繁忙期に出社しなければならない求人があります。
また、フルリモート勤務とハイブリッド勤務の違いもあるため、求人の内容を確認し、ご自身の希望する働き方の求人に応募してください。
まとめ
在宅派遣は全国どこでも働けて、仕事とプライベートを両立しやすいでしょう。育児・介護と仕事を両立させたい方や、自宅からの通勤圏内に希望の仕事がない方に向いている働き方です。就業が決まったら、快適な状態で仕事に取り組むためのデスクや椅子、タスク管理ツールを用意して環境を整えましょう。
マンパワーグループのJOBNETでは、さまざまな職種で在宅派遣の求人を取り扱っています。未経験からチャレンジできる求人もあるので、在宅派遣を検討している方はご登録ください。
登録会の申し込みはこちら