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治験業務とは?
治験コーディネーターや治験関連業務について解説

2019年9月13日
 

治験業務とは

治験に関する知識はないものの興味がある人や、治験にかかわる仕事がどういった内容なのか、どういった資格が必要とされるかなど、治験への関心が高い人も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、治験への関心が高い人に向けて、薬ができるまでの流れから治験の進め方、治験にかかわる職業、業務内容、必要とされる資格などを解説しています。治験に関する理解を深め、治験業務に就くきっかけとして、ぜひ参考にしてください。

目次


治験は、治療目的として使われる薬や医療機器の承認を国から得るために、製薬会社や医療機器メーカーが厚生労働省の指導のもとに実施する臨床試験のことです。

臨床試験では、対象となる「薬の候補」「医療機器の候補」の有効性や安全性、適正な投与量や投与方法、使用方法などを調べるために、動物や健康な成人、もしくはその薬を対象とするだろう患者に使用し、繰り返し試験を行います。

製薬会社や医療機器メーカーは、患者の安全・人権などにも最大限の配慮をしながら、治験の3段階のステップをへて、各段階のデータをまとめて厚生労働省に提出します。

医薬品や医療機器は、治験の各段階をへて、有効性と安全性が確かめられてからでなければ世に出ることができないことになっています。

薬ができるまでの流れ

ひとつの新薬ができるまでの第一段階は、目的とする作用をもった物質を「薬の候補」として選び出すことです。この基礎研究に、2年から3年ほどかかります。次に、ねずみやウサギといった動物で「薬の候補」の有効性・安全性を調べる非臨床研究に3年から5年ほどかけ、次に、実際に人の身体で「薬の候補」の有効性や安全性を調べる「治験」を行います。
 
治験には通常、3年から7年ほどの期間がかかります。「薬」としての有効性や安全性、品質などが証明されたあと、厚生労働省に申請します。審査をへて承認されることで、医薬品として製造・販売することが許されるのです。
 
 

治験の流れ

治験は一般的に、次に挙げる3つの段階を踏むことになります。第1段階が、第1相試験です。これは、健康な成人志願者に少量ずつ治験薬を投与し、安全性などを確かめるものです。第2段階が、第2相試験です。これは、少数の対象疾患の患者に治験薬を投与して、有効性の有無、効果の出方、副作用、投与量や投与方法などを調べるものです。
 
最後に、第3相試験です。これは、多数の患者に治験薬を投与し、効果や安全性を確認するものです。治験をもとに得たデータは製薬会社にフィードバックされ、新たな薬の開発や、薬の改良などに役立てられます。
 
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治験コーディネーター(CRC)とは、患者や医師、製薬会社との間をつなぐ連絡役として、治験を円滑に終えられるよう、運営をサポートする専門スタッフのことです。

治験コーディネーターは、治験実施計画書(プロトコール)を十分に理解・把握したうえで、医師や被験者をはじめさまざまな方面に治験についての説明を行ったり、治験に用いる検査キットなどを管理し被験者のケアにあたったりします。中でも、治験基準に合う被験者のスクリーニング、治験者への同意説明、有害事象への対応などは、重要な仕事のひとつです。治験が終了した後は、症例報告書の作成にも携わります。


治験にかかわる職種としてあげられるのは、治験コーディーネーター(CRC)や、治験事務局支援担当者(SMA)などです。どちらの職種においても、業務に必要な能力の向上を図るための教育研修などが複数の協会で行われていますが、これらの職種に就くために必須の資格として明確に定められたものはありません。

治験コーディネーター

治験コーディネーター(CRC)になるために必須の資格はありません。しかし、専門性が問われる職種であるため、看護師や臨床検査技師、薬剤師というような医療系の資格や、病院での臨床経験があるなど医療系の知識を持つ人のほうが、役割を果たしやすいとされています。国家資格などはありませんが、現在は、さまざまな学会や業界団体が治験コーディネーターの認定試験を実施し、その資質を保証しています。


治験には、被験者として新薬や医療機器を試してくれる治験モニター、治験によって集められたデータを入力するスタッフなどが必要になります。

ここでは、治験の関連業務に必要な人材と、それぞれの仕事内容、向き不向きを判断する基準などを解説します。

治験モニター(治験バイト)

治験モニター(治験バイト)とは、新薬や新規開発の医療機器などの有効性・安全性を確認するために、被験者となる有償のボランティアのことです。
 

仕事内容

治験モニター(治験バイト)の仕事は、新薬や新規開発の医療機器、サプリメント、健康食品など、さまざまな製品を体験し、その有効性・安全性についてのデータを得ることです。

新薬の開発のための治験モニターは、通院して体験するものと、入院して体験するものとのふたつに分かれます。通院タイプは拘束時間がさほど長くありませんが、入院タイプは、数日から数ヶ月の単位で入院し、服用後のデータを採取します。
 

勤務時間

治験モニター(治験バイト)の勤務時間は、通院か入院かによってさまざまです。治験モニターとして応募した先の求めに応じて勤務時間が決定されるため、1日で終了するものもあれば、数日から数ヶ月間に及ぶものもあります。説明会などで内容をよく理解し、自分の条件と合うかどうかを判断するようにしましょう。
 

どんな人に向いている

治験モニター(治験バイト)向きの人は、生活するうえで、治験による何かしらの制限があってもストレスを感じにくい人です。入院タイプの治験などでは、拘束時間が長いケースも多く、運動や食事など生活を制限されることも少なくありません。また、治験の内容によっては集団生活を送ることもあります。
 
こうしたストレスを感じにくい人、時間の融通がきく人、治験を通して社会貢献ができることに喜びを感じられる人などが治験モニターに適しています。
 
 

治験データ入力

治験を通して得たデータを入力する、治験データ入力もまた、治験を支える大切な仕事です。ここでは、治験データ入力の仕事について解説します。
 

仕事内容

治験データ入力は、治験コーディネーターの仕事をサポートする業務のひとつです。新薬として承認を受けるために必要なデータを集め入力します。医療業界での就業経験がなくてもかまいませんが、データ入力が主になるため、基本的なパソコンスキルや、事務処理能力などは必要になります。
 

勤務時間

治験データ入力の仕事に関しては、治験もしくは薬が製造販売された後に調査のデータ入力を行うことが主となります。就業先によって異なりますが、フルタイムだけではなく時短勤務もあります。
 

どんな人に向いている

治験データ入力の仕事に向いているのは、細やかな作業が苦にならず、正確な仕事ができる人です。入力する内容に、医療品・医薬品関連の用語が多く含まれるため、自分の知らない言葉が出てきた段階で、自発的に調べられるような人も、治験データ入力に向いているといえるでしょう。また、製薬業界へキャリアチェンジを志している人などにもおすすめです。


この記事では、治験の概要や新薬開発の進め方、治験コーディネーターの仕事内容などを詳しく解説しました。あわせて、治験業務に携わるほかの職種についても、仕事内容や勤務時間、職種向きの人材などについても、治験に関心の高い人向けとして全体像を説明しています。

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