2018年9月1日
DTPオペレーターとはどういう仕事なのか、いまひとつよくわからないという人は多いのではないでしょうか。
必須スキルに、「Illustrator」や「Photoshop」があり、私にも出来るのではないか、デザインの知識が活かせるのではないか、と気になっていませんか。
本記事では、仕事内容や必要なスキル、気になる収入面についても詳しく解説します。
DTPオペレーターは身につけたスキルを活かせる仕事でもあります。
ぜひあなたのステップアップの参考にしてください。
DTPオペレーターの仕事内容とは
DTPオペレーターは、デザイナーが作成した原案をもとに印刷物を完成させるため、パソコン上でデータを調整・加工・修正する仕事です。
DTP(DeskTop Publishing)とは、パソコンでデータの作成・編集・加工を行い、データを出力して印刷物をつくることをいいます。
以前は、版下の作成・製版・印刷といった工程を経て印刷物を作成していました。それぞれの工程には専門スタッフがいました。印刷の工程にパソコンを使うようになり、印刷用のデータ作成をDTPオペレーターがひとりで行えるようになったのです。
DTP作業の各工程
DTPオペレーターの具体的な作業について説明します。
業務フロー
作業ポイント
- ひな形作成
ひな形とは、印刷に関するフォーマットのデザインのことです。
ひな形はその後に続く工程にとても重要で、きちんと作成できていないと、最初からやりなおしになる場合もあります。
- 原稿データの入力
ライターの文章原稿はテキストデータに、デザイナーのデザイン案やカメラマンの写真原稿はデジタル画像に変換します。
- レイアウト調整・修正
文字詰め、禁則処理、行間ルールなど、DTP特有のルールに従い、レイアウトを調整や修正をします。
- 校正
校正作業では、自分で校正したものを、校正担当者に確認をしてもらいます。何度か、校正作業を繰り返し、完璧な印刷物になるように修正していきます。
- 納品
クライアントや印刷会社に入稿データを納品します。
DTPデザインは紙の媒体なので、Webデザインのように修正して更新することができません。
一度出版してしまうと修正がきかず、刷り直すことになります。刷り直しは、大きな損失につながるため、 すべての工程において注意して作業し、修正の必要がない印刷物を完成させなければなりません。
使用するソフトウェア
DTPは印刷物に合わせて、以下のようなソフトウェアウェアを使ってデータを作成します。
- Adobe Illustrator(イラストレーター)
イラスト、グラフ、図などを作成し、文字や画像のレイアウトをすることができるソフトウェアです。
グラフィックデザインで、よく使われています。
- Adobe InDesign(インデザイン)
書籍などのページ数が多いものに使用します。
これは、組版専用のDTPレイアウトソフトウェアで、PhotoshopやIllustratorとの互換性があり、よく使用されています。組版とは、原稿どおりに文字や図などをページに配置する作業のことです。
- Adobe Photoshop(フォトショップ)
写真やイラスト等の画像データを加工するソフトウェアです。多くの機能を備え、写真の合成、2次元のCG、イラストなど、さまざまな場面で使えるため人気があります。
- QuarkXPress
以前よく使われていたDTPレイアウトソフトウェアです。
使いやすく安定度の高いため、使い慣れているという理由で使用している企業もあり、根強い人気があります
関係者とのコミュニケーション
DTPオペレーターは、DTPディレクター、DTPデザイナー、カメラマン、ライター、営業、校正など、さまざまな職種の人と関わります。
原稿をデジタル化するためには、デザインはデザイナーから、写真原稿はカメラマンから、文章原稿はライターから受け取ります。それぞれの意図を正確に把握し、確認すべきことは質問するなど、各担当者と話し合いながら作業を進めていきます。
そのため、話の内容を理解するための幅広い知識と高いコミュニケーション能力が必要になります。
DTPオペレーターの平均年収・時給
正社員のDTPオペレーターの平均年収と派遣・アルバイトの平均時給についてご紹介します。
正社員の年収
正社員の場合、デザイン事務所、出版社、印刷会社、広告代理店などに勤務する場合が多いです。
給与の平均は、月収で20万円前後(※)です。
年収は、年齢や経験によって変わりますが、200万円~300万円程度(※)で、サラリーマンの平均年収より少し低いです。
※出典
DTPオペレーターの給料・年収・収入 Career Garden
DTPデザイナーの場合、平均年収は、300〜400万円程度(※)になり、DTPオペレーターより高収入です。
デザインまでできると、年収アップが見込めます。デザイン以外にも、イラストや依頼原稿の企画などができれば、もっと高収入を得ることができます。DTPオペレーターとして経験を積み、ステップアップしてDTPデザイナーに進む道もあります。
※出典
DTPデザイナーの年収、給料、給与 憧れクリエーターのお仕事図鑑
派遣・アルバイトの時給
派遣社員の時給は1,200~1,800円(※)ほどで、正社員の時給換算した給与より高くなる場合もあります。そのため、派遣社員の形態を選んで働いている人もいます。
派遣の場合もスキルの高さによって、業務内容も時給も変わってきます。
派遣の仕事をしながら、スキルアップすることもできます。
※出典
DTPオペレーターの給料・年収・収入 Career Garden
DTPオペレーターに向いている人
ここでは業務の特徴も合わせ、どんな人が向いているのかを説明します。
集中して単純作業を続けられる人
DTPオペレーターは、パソコンでの単純作業を繰り返すことが多いため、集中力が続く人に向いています。
ミリ単位でレイアウトを調整したり、何度も校正と修正を繰り返したりする作業があるため、コツコツと作業に集中し続けることが必要になります。
小さなミスにも気がつく人
出版は一度に大量の枚数を印刷するので、ミスがあると多額の経費をかけてもう一度刷りなおすことになります。これは、会社にとって大きな損失です。
誤字・脱字、フォントの間違い、画像やレイアウトのズレなどのミスが許されません。
こうしたミスを出さないように、紙面全体に細かく目を配れる人に向いています。
気分の切り替えが上手な人
納期が集中し、長時間の残業が発生することもあるので、ストレスを溜めこまず、気分を切り替えながら仕事ができる人に向いています。
体調管理も大切で、うまく休憩を取ったり、休める日は思い切りリフレッシュしたりしながら仕事をするといいでしょう。
パソコン好きでスキルアップしていける人
DTPオペレーターはさまざまなソフトウェアを駆使して行うパソコン作業なので、パソコン作業を効率よくこなしていける人が向いています。
パソコンが好きで、ソフトウェアの勉強もどんどんやっていける人は、スキルアップも早いでしょう。
DTPオペレーター業務で身につくスキル
DTPオペレーター業務で身につくスキルについてご紹介します。
ソフトウェアを使うスキル
DTP業界で使用するソフトウェアの操作方法が身につきます。
IllustratorやPhotoshopは、グラフィックデザインなどDTP以外の業界でも使うソフトウェアです。これらのソフトウェアの高度なスキルが身についていると、いろいろな場面で役立ちます。
デザイン感覚
DTPオペレーターの仕事は、デザイナーがデザインしたものを実際の印刷物にする仕事です。
デザインは、デザイナーのセンスやクライアントの要望によってさまざまです。
多種多様なデザインをたくさん見ることで、デザイン感覚を養えます。
DTPオペレーターにとってデザイン感覚を養うことは、スキルアップのためにもとても重要です。
DTPの専門スキル
DTPの特有のルールや基礎知識が学べます。
線幅・文字サイズ・行間隔・文字の変形などルールもさまざまです。
他にも、実際の印刷物とパソコン画面の色の違い、使用する紙質を選ぶ方法、印刷物とプリンタでプリントアウトしたものの違い、色の再現方法など、DTPならではのノウハウを学べます。
未経験からDTPオペレーターになるには
派遣であれば未経験者でもエントリーできる案件があるので、DTPオペレーターに挑戦できます。就業先では、 スタッフの人から教わることができるので、早くノウハウを獲得できます。また、DTPオペレーターとして多くの職種と人とどのようにコミュニケーションをとればよいか学ぶこともできます。
未経験とはいえ、IllustratorやPhotoshopなどのソフトウェアのスキルは必須なので、しっかり勉強しましょう。高度な専門スキルがあれば、雇用形態にかかわらず、収入アップが見込めます。
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