未経験から事務に挑戦するときに、OA事務の仕事内容や給与を詳しく知りたい方もいるでしょう。この記事では、OA事務の仕事内容や給与、求められるスキルについて解説します。
OA事務として働く魅力まで解説するので、最後までお読みいただければ仕事にチャレンジするのか判断できるようになるでしょう。
目次
OA事務とは
OA事務とは、パソコンやFAXなどの機器を使って文書を作成する仕事です。OAとは「Office Automation」の略語で、オフィス業務の効率化を指します。仕事で使われるパソコンやFAXなどの機器を「OA機器」と呼びます。
OA事務の業務内容
OA事務の仕事内容は、パソコンを使ってビジネス・プレゼン文書を作成することです。
ビジネス・プレゼン資料の作成するために、以下のような業務をおこないます。
● 数多くのデータから関数を使用して分析をおこなう
● PowerPointでグラフ・表を作成し、資料のデザインを整える
● データベースをAccessで作成する
さまざまなパソコンツールを使いこなして仕事を進めるため、ある程度のパソコンスキルを身に着けたうえで仕事を始める方が多いでしょう。
ほかの事務職との違い
数多くの企業でパソコンを使った業務が主流となっているため、OA事務とほかの事務職との線引きが薄くなってきました。とはいえ、OA事務の仕事は、ほかの事務職と違いがあります。
一般事務との違いは、幅広い業務を担当するかどうかです。一般事務は来客・受付対応や庶務といった幅広い業務を担当することに対して、OA事務は高度なパソコンスキルを求められる業務をおこないます。
企業によっては、来客・電話対応や文書の管理といった一般事務の仕事と兼務するケースがあります。部署ごとに異なるため、応募する前に求人票で業務内容を確認しましょう。
また、OA事務と貿易事務との違いは、業務の専門性です。貿易事務の仕事は、海外の取引先との商品の輸出輸入に関する業務です。輸出輸入書類の作成や、輸送便や通関の手配などの貿易に関する専門的な仕事をおこないます。輸出輸入に関わるため、英語のスキルが必須です。
一方で、OA事務は社外とのやり取りは少なく、主にパソコンのスキルが求められます。
営業事務との違いは、部門に特化した仕事をするかどうかです。OA事務はパソコンを使った幅広い部門の仕事をすることに対して、営業事務は営業職のサポートする以下のような業務をおこないます。
● 契約書・請求書・領収書の発行
● 顧客からの問い合わせ対応
● 商品の在庫管理
● 営業データの管理
営業事務は顧客対応をおこなうため、自社で取り扱う商品知識やコミュニケーション能力が求められます。
営業事務の仕事が気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
営業事務の仕事内容とは?平均年収から一般事務との違いまで解説
OA事務の年収・時給について
OA事務として働く正社員の平均年収は、305万円です。正社員の給与を賞与なしで月収に換算すると、約25万円となります。
一方で、派遣社員として働く際の時給は1,449円です。1日8時間、月20日勤務と仮定した場合すると、派遣社員の月収は23万1,840円、年収は278万2,080円となります。
ほかの事務職の正社員の年収と、派遣社員の時給は以下のとおりです。
職種 | 正社員の年収 | 派遣社員の時給 |
一般事務 | 313万円 | 1,310円 |
医療事務 | 338万円 | 1,272円 |
営業事務 | 347万円 | 1,392円 |
経理事務 | 350万円 | 1,272円 |
貿易事務 | 304万円 | 1,545円 |
OA事務として働く正社員の年収は、ほかの事務職に比べると比較的低いことがわかります。
OA事務の給与を地域ごとに比べると、一番高い地域は関東です。関東の場合は正社員の年収は324万円、派遣社員の時給は1,423円が平均水準となっています。一方で、一番低い地域は九州・沖縄で、正社員の年収が274万円、派遣社員の時給が1,171円です。
なお、年収や時給は勤務先によって異なるため、あくまで目安にしてください。
参照:OA事務の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
ほかの事務職の業務内容や給料を詳しく知りたい方は、以下のリンクからチェックしてください。
職種一覧【働き方ガイド】
OA事務に求められるスキルとは
OA事務として働くうえで、以下のスキルを求められます。
● 基礎・応用的なパソコンスキル
● 事務処理能力
● コミュニケーションスキル
それぞれのスキルについて詳しく解説します。
基礎・応用的なパソコンスキル
OA事務の仕事のほとんどは、パソコンを使っておこないます。WordやExcel、PowerPoint、Accessといったソフトを使いこなす必要があります。特にデータの集計では、ExcelのAverage、SUM、Vlookupなどの関数を身に着けておくと、仕事の幅が広がるでしょう。
パソコンスキルが不安な方は、派遣会社や転職サイトなどが提供するスキルアップサービスの利用や、MOSなどの資格の取得をおすすめします。
事務処理能力
OA事務の仕事では、円滑に仕事を進めるための事務処理能力が不可欠です。事務処理能力とは、データ入力や書類作成、メール対応などをミスなくスピーディーに進める能力を指します。
ミスなく業務を進めるためには見直しをしっかりおこない、ミスが少なくなるような仕組みづくりを整えましょう。たとえば、ミスしやすい項目をExcelのシートにまとめておく、締切に余裕があるものは翌日にチェックしてから提出するなどです。
また、スピーディーに進めるためにはブラインドタッチのスキルを磨くことや、作業の工数を減らすためのシステムを活用することなども有効です。
ブラインドタッチのスキルを磨きたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
ブラインドタッチ(タッチタイピング)とは?メリットや習得方法、注意点などを解説
コミュニケーションスキル
OA事務は社内の人と協力しながら進める仕事が多く、コミュニケーション能力が求められます。OA事務では、社内の人の指示にしたがって集計や資料作成するケースがほとんどです。相手の意図を汲み取って、資料を作成できるようなスキルが求められます。
また、企業によってはメール・来客対応といった社外の人の関わる業務をおこないます。取引先との窓口になる場合、ビジネスマナーを最低限押さえておく必要があります。メールの件名・宛先や敬称、言葉遣いなどの基本的なものを確認しておきましょう。
コミュニケーションスキルについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
仕事上で求められる3つのコミュニケーションスキルとは?
OA事務で活かせる資格
OA事務の仕事には、以下のような資格が活かせます。
資格 | 出題範囲 |
Accessビジネスデータベース技能認定試験 | テーブルの作成・レコードの抽出・レポートの作成など |
Excel表計算処理技能認定試験 | データ集計・グラフ作成・関数使用など |
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験 | スライドの作成・図形の挿入・アニメーションの設定など |
Word文書処理技能検定試験 | 文書の作成・表の挿入・印刷設定など |
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS) | Excel・Word・PowerPointなどのMicrosoft Office製品の知識・操作スキルなど |
資格は、応募する求人に合わせて必要なものを取得しましょう。資格試験によっては、数ヶ月ごとや毎日などのペースで実施されているため、ご自身の勉強時間を考えたうえで申し込むことが大切です。
上記の表のうち、最も知名度が高い試験はMOSです。MOSの試験は、使用するソフトごとに以下の試験が実施されています。
試験科目 | レベル |
Word | 一般・上級の2種類 |
Excel | 一般・上級の2種類 |
PowerPoint | 一般のみ |
Access | 一般・上級の2種類 |
Outlook | 一般のみ |
MOSはOA事務だけでなく、事務職や営業といった幅広い職種で評価されている資格です。MOSの資格を取得していれば、面接担当者に基本的なOfficeソフトのスキルがあると評価されるでしょう。
代表的なパソコンスキルを証明するMOSが気になる方は、以下の記事も参考にしてください。
MOS資格とは?難易度・受験方法から対策法まで解説
OA事務の魅力
OA事務の仕事には、以下のような魅力があります。
● パソコンスキルを実務に活かせる
● 未経験からチャレンジしやすい
● 専門スキルの伴う事務職へキャリアアップしやすい
それぞれの魅力について詳しく解説します。
パソコンスキルを実務に活かせる
OA事務の仕事はパソコンを使って進める、ご自身のスキルを活かして仕事ができます。パソコンスキルを証明できる資格を所持していても、実務で使っていなければ忘れてしまうことも少なくありません。
身に着けた知識を仕事に活かせば、忘れる前に知識を活用できるだけでなく、職場にも貢献して評価にも繋げられるでしょう。
未経験からチャレンジしやすい
OA事務はパソコンスキルがある程度あれば、未経験から可能としている求人も募集されています。初めて事務職に挑戦したい方にはおすすめの職種と言えるでしょう。
未経験から応募できる仕事に応募するときは、パソコンスキルをアピールすることが重要です。資格やパソコンスキルを履歴書や面接でアピールすると採用担当者に高評価をもらえるかもしれません。
未経験から事務職にチャレンジしたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
未経験でも事務になれる?仕事内容や役にたつ資格・スキルまでくわしく解説
専門スキルの伴う事務職へキャリアアップしやすい
OA事務の経験は、ほかの事務職で活躍するための土台となります。データの集計や資料作成、お客様のメール対応などは、専門性が高い経理事務や貿易事務の仕事にも活かせます。
専門性が高い経理事務や貿易事務にチャレンジしたい方は、まずOA事務で経験を積んだあとに挑戦すると、採用されやすいでしょう。
まとめ
OA事務の仕事内容は、パソコンを使って集計や文書作成をおこなうことです。WordやExcel、PowerPointなどのソフトを使いこなせると、OA事務として活躍できるでしょう。OA事務は未経験からチャレンジしやすく、事務職の経験を積むファーストステップとなります。
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