事務職は、基本的にルーティンワークで就業時間が定まっていることが多いため、働きやすさとプライベートのバランスを取りやすいことから、人気の職種です。事務職といっても、営業事務や経理事務などさまざまな種類があります。この記事では、事務職の仕事内容やメリット・デメリット、有利な資格などをわかりやすく解説します。未経験から事務職に挑戦する方法も紹介するので、チャレンジしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
事務職の仕事内容
事務職の仕事は、パソコンを使って対応する以下のような業務がほとんどです。
- データ入力
- 書類作成
- ファイリング
- 来客・電話・メール応対
ただし、事務の仕事は、会社の規模や部署などによっても異なります。まずは事務職の基本的な仕事内容について紹介します。
データ入力
事務職は、会社独自のソフトやMicrosoft officeといったオフィスソフトを使ったデータ入力の業務を担当します。入力するデータは売上やコストの管理、マーケティングデータ、顧客情報などです。
パソコンを使ってデータ入力をするため、タイピングは速いに越したことはありませんが、スピードよりも正確さが求められます。ひとつの入力ミスがトラブルにつながるため、集中力と注意力が必要です。
書類作成
事務職は、議事録や会議資料など、社内で使用するための書類だけでなく、提案書や見積・納品・請求に関する書類など、取引先へ提出する書類の作成をします。
なお、会社の業界や規模によって作成する書類は異なります。決められたフォーマットに必要事項を入力するだけの簡単な書類作成から、相手に合わせてカスタマイズが必要な書類の作成までさまざまです。
ファイリング
事務職は、社内で作成・印刷された書類や、取引先とのやり取りを記録した書類などをファイリング(分類)します。エビデンスとして保管しておくだけでなく、監査のときに提出しなければならない書類もあるでしょう。監査とは、企業の経営状態や財政状況が健全であるかを確認するために、チェックすることです。
そのため、どの書類がどこにあるのか「探しやすく見やすい」ファイリングをするといった細かな気配りも必要になります。
来客・電話・メール応対
事務職は、来客やメール、電話への対応もします。受付対応では、会社の顔として見られるため、身だしなみや言葉遣いに気をつけなければなりません
また、担当宛の電話・メールに限らず、問い合わせやクレームなどのさまざまな連絡に対応する必要があります。状況を素早く察知し、臨機応変に対応しましょう。
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事務 職の種類と仕事内容
事務職の仕事内容は、以下の種類によって異なります。
- 一般事務
- 営業事務
- 経理事務
- 人事事務
- 総務事務
- 医療事務
それぞれの仕事について詳しく解説します。
一般事務
一般事務の仕事は、以下のような部署のサポートを中心とした事務作業全般です。
- 電話対応
- データ入力
- 書類作成・管理
- 備品管理
他の事務職と比べると専門知識が不要なため、未経験から挑戦しやすい事務職といえます。
一般事務の詳しい解説は、以下の記事でご確認ください。
一般事務の仕事内容とは?給料から必要なスキル・身につくスキルまで詳しく解説
営業事務
営業事務は、名前のとおり営業が業務をスムーズにおこなえるようにサポートする事務職です。一人の営業に対してペアになって仕事をするケースが一般的です。
営業の代わりに顧客からの問い合わせ対応や、請求書や見積書の発行をします。インサイドセールスやカスタマーサクセスに興味がある方は、営業の業務の流れを理解できるため、おすすめです。
営業事務について詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
営業事務の仕事内容とは?平均年収から一般事務との違いまで解説
経理事務
経理事務は、以下のような売上や仕入れ管理といった企業のお金の管理をする業務です。
- 現金出納
- 請求・支払い業務
- 売掛金・買掛金管理
- 資産管理
- 原価計算
経理事務の業務のほとんどは、ルーティン業務です。入金金額と請求書の確認といった細かい業務が多いため、同じ作業を苦痛に感じない人が向いています。簿記の資格を取得しておくと、経理の仕事を初めて担当するときでも業務を理解しやすいでしょう。
経理の業務について詳しい内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
経理とは?会計・財務との違いや、締めと決算の違いについても解説!
人事事務
人事事務とは、社員の採用や各種保険の管理などをおこないます。人事は採用に携わるだけでなく、社員が能力を十分に発揮できるような人事制度の立案まで携わります。人事事務の仕事は、以下のとおりです。
- 人材採用
- 人材育成
- 人事評価
- 労務管理
- 人事制度の立案
人事制度の立案に関しては、専門的な知識が必要となるため、人事としてのスキルアップが必須となります。人事について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
人事(HR)のお仕事とは?業務内容・必要なスキル・特徴や人事部の必要性まで詳しく解説
総務事務
総務事務の仕事は、会社全体の仕事を円滑に回すために、以下のようなさまざまな業務を担います。
- 備品の発注・管理
- オフィス管理
- データ管理
- 株主総会や企画・運営
- 社内行事の企画・運営
- 福利厚生の整備
- 来客対応
会社によっては、人事事務と総務事務を兼任する可能性もあります。
総務について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてください。
総務とは?仕事内容、給与、必要なスキルまで徹底解説
医療事務
医療事務は、病院や薬局で患者の診察券確認や会計業務、電話対応などをおこないます。医療分野を支えていきたい方にはおすすめの職種です。
医療事務は資格がなくても働けますが、医療事務検定試験や医療事務技能審査試験といった資格を取得すると、待遇が良くなる可能性があります。
医療事務について詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
医療事務と調剤薬局事務の違いは?仕事内容や役立つ資格試験などもご紹介
事務職のメリット・デメリット
事務の基本的な仕事内容がわかったところで、次は事務職に就くメリット・デメリットについても見ていきます。自身の希望に合っていると思えるなら、事務職への転職も前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
事務職のメリット
事務職に就くメリットは、次のとおりです。
・一般事務は「未経験OK」の求人が多い
・就業時間が定まっていることが多いためプライベートのスケジュールが立てやすい
・業務を通してパソコンスキルを高めることができる
・部署によっては専門知識を身につけることもできる
・正社員や派遣社員など働き方の選択肢が多い
事務職は就業時間が明確に決まっているため、子育てや介護中の方でも仕事しやすいでしょう。
また、経理事務や人事事務を極めていくと、将来的には会社の会計や人事制度の策定まで携われるようになるでしょう。専門職としての一面も持つため、一つのことを極めてスキルアップしたい方にも向いています。
事務職のデメリット
事務職のデメリットは、次のとおりです。
・ルーティンの仕事の多さに物足りないと感じる場合がある
・データ処理から電話対応まで仕事の範囲が広い
・経理や人事などの幅広いスキルを求められることがある
・裏方仕事が多いために地味で目立たないと思われてしまう
・人気職のため競争率が高い
事務職はルーティン業務が多い職種ではあるものの、会社の規模が小さければ経理や人事などの幅広い業務に携われます。さまざまな業務に挑戦したい方は、規模の小さな会社を狙って就職しましょう。
事務職は人気があるため、エリアによっては競争率が高く、選考通過が難しいこともあります。ただし、時期やエリアによって競争率は異なるため、人気のエリアやタイミングをずらして応募すると採用される確率が高まるでしょう。
未経験から事務職に転職する際に身につけておきたいスキル
未経験から事務職に就くときに身につけておきたいスキルは、以下のとおりです。
・コミュニケーションスキル
・Word・Excelなどのパソコンスキル
・臨機応変な対応力
それぞれのスキルを詳しく解説します。
コミュニケーションスキル
社内のスタッフとのやり取りや、社外からの電話対応などがある事務の業務は、仕事を円滑に進めるためのコミュニケーションスキルが必要不可欠です。
事務職は自身が所属する部署はもちろん、社内のさまざまな部署とのやり取りが発生します。なかには苦手意識がある相手と仕事を進めるケースも珍しくありません。どのような場面でも円滑に業務を進めるために、コミュニケーションスキルや気配りは必要です。
コミュニケーションスキルについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
仕事上で求められる3つのコミュニケーションスキルとは?
Word・ExcelなどのPCスキル
事務の仕事は、データ入力や書類作成などパソコンを使った業務が中心となるため、基本的なパソコンスキルを身につけておきましょう。特に、Word・Excel・PowerPointなどのソフトは使用できるようにしておくと、新しい職場に配属されたときも安心です。
臨機応変に対応できるスキル
事務の仕事に限りませんが、状況に応じて臨機応変に対応できるスキルも求められます。
データ入力や資料作成などの仕事をこなしつつ、オフィスの電話が鳴ったらすぐに出る、他部署からの問い合わせに対応するなど、突発的な仕事も少なくありません。決められたとおりに仕事を進めるだけではなく、優先順位をつけながら対応していく能力も必要です。
未経験から事務職に転職する際に有利になる資格
事務に携わった経験がない場合でも、以下の資格を取得していれば転職活動に有利に働く可能性があります。
・MOS
・簿記
・秘書検定
それぞれの資格について詳しく解説していきます。
MOS
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、WordやExcelなどMicrosoft Office製品に関する資格です。派遣先企業に対して、パソコンが使えることをアピールできます。事務の仕事はWordとExcelの両方のソフトを使用するため、使い方を理解しておくと仕事を覚えやすいでしょう。
MOSについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
MOS資格とは?難易度・受験方法から対策法まで解説
簿記
未経験から事務職へチャレンジする際、簿記の資格をもっていると有利に働く可能性があります。できれば、簿記検定2級以上を取得していると、経理の仕事を覚えやすいでしょう。
事務の実務経験はなくても、基本的な内容を理解しているというアピールにつながります。特に、簿記3級は比較的取得しやすいため、時間がある場合は取得しておきましょう。
秘書検定
秘書検定は、一般的なビジネスマナーを備えていると証明できる資格です。秘書検定に合格するためには経営や財務に関する知識だけでなく、ビジネス文書作成など、一般事務の仕事に関する知識も必要です。
事務職の転職に有利な資格が気になる方は、以下の記事をご確認ください。
経理や事務系資格おすすめ6選経理や一般事務で有利な資格などを厳選ランキング
事務 職に向いている方は?
事務職に向いている方は、以下のとおりです。
- 繰り返しの業務を苦に感じない方
- 期日通りに業務を進められる方
- オフィスでのコミュニケーション力やビジネスマナーが身についている方
- 柔軟な対応ができる方
- パソコン業務に苦手意識がない方
向いている方について詳しく解説します。
繰り返しの業務を苦に感じない方
事務職の業務は、毎日・毎週決まった仕事である書類作成や備品管理などルーティン業務がほとんどです。
経理や医療事務などは細かい数字を取り扱うルーティン業務があるため、ミスなく丁寧におこなうことが求められます。
繰り返しの業務を苦に感じず、工数の削減といった作業時間の短縮に対して前向きな方に向いています。
期日通りに業務を進められる方
事務職の仕事は、請求書発送や備品の発注といった他の業務と関連するものが大半です。期日通りに業務を進められないと、他の社員に迷惑をかけてしまう場合もあります。仕事の優先順位を考えながら、スケジュールを管理する能力が求められます。
また、仕事を期日通りに最後まで仕事をやりぬく能力が求められるため、責任感の強さも必要な資質のひとつです。
スケジュール管理のコツについては、以下の記事を参考にしてください。
仕事におけるタスク管理・スケジュール管理の方法とは? コツを知って仕事を効率化しよう
オフィスでのコミュニケーション力やビジネスマナーが身についている方
事務職は他の社員のサポートをするため、オフィスでのコミュニケーション能力が問われます。ただし、話し上手である必要はなく、相手の話をしっかりと聞いて理解し、人間関係を適切に保てる能力があれば、問題ありません。
また、上司や取引先と連絡をとる場面が多いため、ビジネスマナーを身につけている必要があります。言葉遣いや身だしなみ、丁寧な電話対応といったスキルが求められます。不安があれば、派遣会社や転職エージェントの支援制度を活用しましょう。
柔軟な対応ができる方
他の社員をサポートする一面もあるため、急ぎの書類作成を任せられるケースがあります。数時間以内に資料を作成し、取引先への提出を頼まれることもあるでしょう。取引先に迷惑を掛けないように、他の業務と調整しながら進めなければなりません。
他の事務作業のスケジュールと調整しながら、期日通りに業務を進めることが重要な仕事です。上司の要望に合わせて、柔軟な対応ができる方は事務職に適性があるでしょう。
パソコン業務に苦手意識がない方
データ入力や書類作成する事務の業務は、パソコンを使って業務を進めることが大半です。ExcelやWordといったソフトを使いこなすスキルが求められます。
ただし、最初から完璧である必要はなく、仕事を進めながら少しずつ覚えていけば問題ありません。また、企業によって必要なソフトは異なり、会社独自のソフトにも慣れる必要があります。
パソコン業務に苦手意識がなく、新しい業務を覚えることに対して意欲があれば事務職に向いているといえるでしょう。
未経験でも事務職に転職しやすい業界
未経験から事務職へチャレンジするなら金融業界やIT業界、マスコミ業界などがおすすめです。
求人票の応募条件に「未経験OK」との記載があることが多く、事務職の経験がなくても転職しやすいためです。
また、紹介した業界以外でも、企業や部署によって「未経験OK」として募集している求人も少なくありません。まずは求人サイトに登録して、事務職求人の情報をチェックしてみましょう。
まとめ
事務職は未経験からチャレンジでき、就職後に一般事務から営業事務に転向したり、英語を学んで英文事務や貿易事務についたりといったキャリアアップもできる仕事です。
未経験から事務職に転職する場合は、コミュニケーション能力やWordやExcelなどのスキルを身につけておくと、採用されやすいでしょう。
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