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ヘルプデスクの仕事って?
業務内容や社内SEとの違いなど詳しく解説

2024年11月7日
 

ユーザーサポート・ヘルプデスク

ヘルプデスクの仕事に興味があっても、問い合わせを担当する以外の業務内容がわからない方もいるでしょう。ヘルプデスクは、社内・社外からの問い合わせに対応する仕事です。

この記事ではヘルプデスクの仕事や適性、就業によって得られるスキルまで幅広く解説します。役立つ資格まで紹介するため、未経験からチャレンジしたい方はぜひ最後までお読みください。

目次


ヘルプデスクとは

 
ヘルプデスクは、主にパソコンやソフトの使用方法、トラブルの問い合わせに対応する仕事です。
ヘルプデスクの仕事にはマニュアルが用意されており、多くの企業で充実した就業前研修を実施しています。
 

ヘルプデスクの役割・重要性

ヘルプデスクは、社員や顧客の関わる問題を解決する役割があります。社員が抱えるITに関する問題を解決すれば、業務の生産性を改善し、企業の利益に貢献できるでしょう。
 
また顧客の問題を解決できれば満足度が向上し、製品やサービスだけでなく企業の好感度も上昇します。顧客からの問い合わせ内容を社内に共有することも仕事のひとつです。顧客のニーズをとらえることにより、製品やサービスをブラッシュアップし、新たな製品開発につなげられます。
 

コールセンターとの違い

コールセンターは自社の製品やサービスに対する問い合わせや、アポイントを取る仕事です。コールセンターとヘルプデスクとの違いは、社内・社外のどちらの問い合わせを担当するかどうかです。
 
コールセンターは、社外からの問い合わせのみを担当します。コールセンターの仕事には、顧客からの問い合わせに対応するインバウンド(受電)と、顧客への電話をかけるアウトバウンド(架電)の2種類があります。
 
コールセンターの場合、アポイント数や製品の販売数によってインセンティブが設けられている企業も珍しくありません。
 
一方で、ヘルプデスクは社内・社外の問い合わせどちらも対応します。
 
コールセンターの仕事に興味がある方は、以下の記事を参考にしてください。
コールセンターの仕事内容とは?インバウンドとアウトバウンドの違い、重要性を解説
 

社内SEとの違い

ヘルプデスクと社内SEの違いは仕事内容です。ヘルプデスクの仕事は、ユーザーが円滑にシステムやアプリケーションを利用できるようにすることです。一方で、社内SEの担当業務はシステム開発です。
 
ユーザーサポート・ヘルプデスクと社内SEの仕事は、企業規模によって異なります。大企業ではユーザーサポートやヘルプデスクは問い合わせ対応に注力し、社内SEから教わった解決策などを相手に伝えます。
 
一方で、中小企業ではユーザーサポート・ヘルプデスクと社内SEの業務を、同じ人が兼任していることもあります。また、自社で人材が不足している場合は、ユーザーサポートやヘルプデスク業務を外部業者に委託しているケースも珍しくありません。
 
システムエンジニアについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
システム開発とは?業務内容・年収・スキル・仕事に就く方法まで解説
 

ヘルプデスクの仕事内容

 
へルプデスクの仕事内容は、社内と社外によって異なります。ここからは、配属先ごとの仕事内容について詳しく解説します。
 

社内ヘルプデスク

社内ヘルプデスクは、自社社員からの問い合わせを受け、トラブル解決に導きます。たとえば、新たなシステム導入後の操作説明やトラブルシューティング、説明資料の作成などです。ほかにも、パソコンのメンテナンスやセットアップを担当します。
 
社内ヘルプデスクは、システム関連部署の一部門として設置されるケースがあります。しかし、企業によっては総務や社内SEが担当しているケースも珍しくありません。
 

社外ヘルプデスク

社外ヘルプデスクは、顧客から自社製品やサービスのトラブルやクレームに関する問い合わせを担当します。基本的には、電話やメール、チャットなどのリモート対応がメインです。

企業によっては、サービス・製品を導入した顧客先に訪問・常駐することがあります。
 

ヘルプデスクの給与

 
ヘルプデスクの給与は、以下のとおりです。
 
● 正社員の年収:360万円
● 派遣社員の時給:1,790円
 
派遣社員の場合、1日8時間、月20日勤務と仮定すると、月収28万6,400円、年収343万6,800円です。
 
ヘルプデスクに関連する仕事の正社員の年収と派遣社員の時給は、以下の表を参考にしてください。
 

職種 正社員の年収 派遣社員の時給
コールセンター 390万円 1,421円
システムエンジニア 494万円 2,294円
テクニカルサポート 473万円 1,723円

 

ただし、上記のデータは平均値であり、エリアや経験によって給与は変わるため、あくまで参考にとどめてください。
 
IT業界の仕事が気になる方は、以下の記事をご確認ください。
IT業界の職種とは?仕事内容、将来性、年収なども解説
参照:ヘルプデスク(IT) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) LinkIcon
 

ヘルプデスクの仕事で得られるやりがい

 
ヘルプデスクの仕事を通じて、以下のようなやりがいを得られるでしょう。
 
● 組織運営に貢献できる
● 顧客や社内の方から直接感謝してもらえる
● さまざまなスキル獲得や資格取得ができる
 
それぞれのやりがいについて詳しく解説します。
 

組織運営に貢献できる

社外ヘルプデスクは顧客からの声を直接聞くため、ニーズを把握しやすいです。顧客ニーズを会社に伝えることによって、社員が気付いていなかった製品やサービスのベネフィットを共有できます。ヘルプデスクによって顧客への提案方法が変わり、組織の業績を伸ばすきっかけを与えられるかもしれません。
 
一方で、社内ヘルプデスクは、社員のトラブルを解決するだけでなく、スムーズに業務を進められるようなシステム導入まで携わります。問い合わせの内容によっては、業務改善施作を提案することもあるでしょう。ヘルプデスクの活躍によって、円滑な組織運営につなげられることは仕事のやりがいといえます。
 

顧客や社内の方から直接感謝してもらえる

問い合わせをした方から「わかりやすい対応をしてくれてありがとう」などの感謝の言葉を向けられます。トラブルを解決し、業務が円滑に進められるように手助けできることもやりがいにつながるでしょう。
 
さまざまな相手と関わりながら問題を解決していくことで、世間に対する視野を広げられることも魅力のひとつです。困っている人の役に立ち、喜びを感じることもあるでしょう。
 
コミュニケーション能力も身につき、社内の調整役として頼られることも多いようです。一方で、あらゆるトラブルに冷静に対処しなくてはならないという厳しさもあります。
 

さまざまなスキル獲得や資格取得ができる

ヘルプデスクの仕事を続けていくと、ビジネスマナーやコミュニケーション能力、冷静に対応する力が自然と身についていきます。
 
コミュニケーション能力やパソコン操作スキルなどはあらゆる職業で求められるため、転職の際に役立つでしょう。最初は派遣社員として就業したのち、培ったスキルを武器に正社員への道を狙う人もいます。
 
ヘルプデスクは、パソコン操作やIT知識についても学びやすい環境であり、資格取得の勉強の後押しとなるでしょう。ユーザーサポートやヘルプデスクに就業するために取得した資格から、さらにステップアップできます。
 
たとえば、システムに関する知識を深めてヘルプデスク部門のリーダーを目指せます。また自主的に社内SEと関わり、ITに関する知見を深めたうえでエンジニアへ転職したりする方もいるでしょう。
 
マンパワーグループのJOBNETでは、ヘルプデスクの求人を多数掲載しています。ヘルプデスクの仕事が気になる方は、ぜひご覧ください。
ヘルプデスクのお仕事・求人一覧はこちら
 

ヘルプデスクの仕事に向いている人

 
ヘルプデスクの仕事に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
 
● 初対面の人とも明るく話せる
● トラブルやクレームにも冷静でいられる
● パソコン操作やIT知識の勉強が苦ではない
● マナーと言葉遣いを意識できる
 
ここからは、それぞれの特徴について詳しく解説します。
 

初対面の人とも明るく話せる

問い合わせはタイミングを問わず、年齢や性別などに関係なく入ってきます。お互いに相手の顔が見えないため、通常よりさらに明るく丁寧に対応しなければトラブルにつながりかねません。問い合わせてくる相手は基本的に初対面のため、初めて関わる人とも抵抗なく会話できる人がヘルプデスクの仕事に向いています。
 

トラブルやクレームにも冷静でいられる

ヘルプデスクでは、緊急時の問い合わせや要領を得ない質問にも対応する必要があります。ときには混乱していたり、冷静ではなくなったりしている相手から、問題解決に必要な情報をヒアリングしなければなりません。どのような状況でも、冷静さを失わずに対応できる人に適性があるといえます。
 
さらに理不尽なクレームに対する場合であっても感情的にならず、相手が求めていることの本質を見抜く力が必要となります。
 

パソコン操作やIT知識の勉強が苦ではない

ヘルプデスクは、自社が開発したシステムやアプリケーションに関する問い合わせや、トラブルの対応をします。近年においては、パソコンなどの機器やソフトのバージョンアップのスピードが速く、導入されたシステムに素早く対応できるよう勉強を続ける必要があります。パソコン操作やIT知識について、自ら勉強する姿勢が不可欠といえるでしょう。
 
さらにヘルプデスクは、相手の理解度に合わせてわかりやすく説明しなくてはならないため、ITに関する正しい知識を持っている必要があります。また生成AIの進歩も加速しており、社内で活用が推進されている場合は、自ら新しい情報を追いかけましょう。
 

マナーと言葉遣いを意識できる

社外のヘルプデスクは、会社の顔としての役割も求められます。ビジネスマナーを身につけ、正しい言葉遣いができるように意識することは、もっとも重要なスキルのひとつです。どんなときでも相手に対して失礼のないように行動できる人材が適しています。
 
マナーに関して気になる方は、こちらの記事をお読みください。
ビジネスマナーの基本 恥をかかないため4つのマナーをご紹介
 

ヘルプデスクの仕事に役立つ資格

 
以下の資格を取得していると、ヘルプデスクの仕事に役立ちます。
 
● 基本情報技術者試験
● マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
● ITパスポート
● ITILファンデーション
 
それぞれの資格試験の内容について見ていきましょう。
 

基本情報技術者試験

経済産業省に認定されている基本情報技術者とは、ITに関する基礎的な知識と技能に関して一定程度の知識があると証明できる資格です。プログラマーやSEなどにチャレンジしたい人に向けた試験です。企業によっては、入社3年以内の取得を推奨しています。
 
アルゴリズムやプログラミング、プロジェクトマネジメントなどの分野から出題されます。
2023年4月から通年で実施されるように変更され、取得しやすくなりました。
 
参照:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 LinkIcon
 

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、ExcelやWord、PowerPointといったMicrosoft製品の基本操作ができることを証明する資格です。ヘルプデスクの業務には文書作成やデータベース管理が含まれているため、パソコンの基本操作を身につけておく必要があります。パソコンの操作に不安な方は、募集されている求人に合わせて、あらかじめExcelやWordなどの資格を取得しておきましょう。
 
応募時にパソコンやITのスキルがあることをアピールできると、選考が有利に進みやすいでしょう。
 
MOS資格が気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
MOS資格とは?難易度・受験方法から対策法まで解説
参照:MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト LinkIcon
 

ITパスポート

ITパスポートは、初めてIT関連の仕事に就くときに足がかりとなる資格です。出題内容は、情報セキュリティやモラル、ITにおける企業コンプライアンスなどです。OSやネットワーク関連の知識を基礎から学べるため、実際にOS・ネットワーク関連の問い合わせを受けた際にも、適切な対応がとれるでしょう。
 
各種ブラウザの設定方法なども必要な知識になるため、取っておいて損はない資格といえます。基本情報技術者との違いは試験の難易度です。ITパスポートに比べると、基本情報技術者の試験のほうがやや難易度が高いといえます。
参照:【ITパスポート試験】情報処理推進機構 LinkIcon

ITILファンデーション

ITILファンデーションは、イギリスの政府機関によってITサービスマネジメントの成功事例をまとめた書籍を元にした資格です。ITサービスの戦略やサービスデザイン、継続的なサービス改善などの分野から出題されます。資格を取得すると、システム運用の知識があり、トラブルにも対応できるスキルがあると証明できます。

資格で勉強した知識を活用すれば、相手の状況に適したシステム運用を提案できるようになるため、一目置かれる存在になれるでしょう。
参照:ITIL®4 Foundation | PeopleCert - Best Practice by applying LinkIcon
 

ヘルプデスクのキャリアアップ

 
ヘルプデスクとしてキャリアアップするためには、以下の方法が有効です。

● ITやシステムのスキルを習得する
● 認定資格を取得する
● 英語力を高める
 
それぞれの方法について見ていきましょう。
 

ITやシステムのスキルを習得する

ヘルプデスクとしてのキャリアアップを図るためには、自社商品やサービスに関するITやシステムのスキルの習得が不可欠です。ネットワークの構築・維持やシステム管理、プログラミングなどの知識があると、社内SEとの連携が取りやすくなり、トラブル解決がスピーディーに進むでしょう。
 
またスキルを身につけておけば、SEやネットワークエンジニアなどのIT系の仕事へのキャリアチェンジをしやすくなります。最新の情報をアップデートし続ければ、職場で戦力として活躍できるでしょう。
 

認定資格を取得する

IT業界における、特定の知識やスキルを証明する資格を取得すると、キャリアアップの可能性が広がります。CiscoやMicrosoftといった有名企業が実施している資格を取得すれば、IT知識を証明する手段として有効です。企業ごとに導入しているツールが異なるため、自社の業務に関わりの深い資格から取得しましょう。
 
企業によっては資格を取得すると、祝い金が支給されることもあります。資格の勉強を始める前に企業ホームページや求人票で確認しておきましょう。
 

英語力を高める

問い合わせがある顧客や社員のなかには、英語圏の方がいます。リスニングやスピーキングができなければ、問い合わせを受けたときに慌ててしまいます。日常英語と仕事にまつわるIT関連のボキャブラリーを身につけ、どのような場合でも対応できるようにしましょう。
 
英語力を高めればヘルプデスクだけでなく、外資系企業への転職も有利になります。
 
企業によっては、TOEICやTOEFLなどの英語の資格取得を支援している場合もあります。eラーニングや英会話教室などの受講費用をサポートしてもらえる可能性があるため、福利厚生制度をチェックしましょう。
 
ヘルプデスクとしてキャリアアップするために英語力を高めたい方は、以下の記事をご確認ください。
英語の効率的な勉強方法とは?英語学習のポイントを解説
 

ヘルプデスクの仕事の将来性

 
ヘルプデスクは、中小企業から大企業まで規模を問わず必要とされている仕事です。さまざまな企業が募集しているため、求人数が多い傾向にあります。転職の際は社内の調整役として活躍した経験を存分にアピールすれば、選考に通過しやすいでしょう。
 
しかし、窓口応対の一次対応の経験だけでは、将来のキャリアアップは難しいといえます。社内のトラブル解決といった二次対応までできると、サポートデスクとしての将来性が見込まれます。
 
またITの知識を活かせば、社内SEやテクニカルサポートといったIT系の職種にチャレンジしやすくなるでしょう。
 

まとめ

 
ヘルプデスクは活躍の場が比較的広く、得られるスキルも多いことが特徴です。組織運営に貢献でき、顧客や社内の方から直接感謝してもらえるため、やりがいがある仕事です。
 
ヘルプデスクのリーダー部門だけでなく、社内SEといったステップアップも見込みやすく、十分に将来性のある仕事といえるでしょう。
 
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