派遣とは
派遣社員として働くには、派遣会社に登録することが必要です。派遣会社から仕事を紹介され、派遣先企業での就業が決定してから、派遣会社と雇用契約を結ぶことになります。勤務先は派遣先企業であり、業務に関する指示も派遣先企業から直接受けます。
ただし、給与や福利厚生は派遣会社から支払われているため、派遣社員は所属している派遣会社から「派遣されている」という働き方です。また、派遣社員には派遣期間が設けられており、就業にあたってのサポートは派遣会社から受けられます。
なお、派遣社員として働くには、一般派遣、紹介予定派遣などの種類があり、求職者は自分の希望やライフスタイルにあわせて、どちらの形態で働くか選ぶことになります。派遣社員の種類は以下で詳しく説明します。
派遣の種類
ここでは、一般派遣と紹介予定派遣の特徴について解説します。働き方を選ぶ際のヒントにしてください。
一般派遣
一般派遣は、派遣会社と雇用契約を結んで働きます。派遣会社との雇用契約は、紹介された派遣先企業で就業が決定した後に結ぶことになります。また、一般派遣で働く場合は、同じ派遣先企業で働ける期間が3年間と定められている点が特徴です。派遣会社との雇用契約も、派遣先で就業している期間のみとなります。
紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣社員として一定期間の派遣就業を経て、正社員または契約社員といった直接雇用として働く可能性がある働き方です。紹介予定派遣を選択した際の流れは以下のとおりです。
1、派遣会社から紹介された派遣先企業と面接を行う
2、面接に合格後、まず派遣社員として、紹介予定派遣の制限期間内で働く
3、本人と派遣先企業との双方で合意が得られた場合は、派遣先企業に直接雇用される
紹介予定派遣の制限期間は最長6ヶ月と定められています。そのため、半年間は派遣先企業と派遣社員がお互いにマッチするかどうか確認できる仕組みです。
京都府の特徴
京都府は日本列島のほぼ中央に位置しており、47都道府県のなかでは31番目の大きさとされています。また、北は日本海・福井県、南は大阪府・奈良県、東は三重県・滋賀県、西は兵庫県と隣接しています。府の中央には丹波山地があることから、気候が日本海型と内陸型にわかれている点が特徴的です。
また、日本屈指の観光都市であり、有名大学も多くあるため、学生街として発展している点でも有名です。さらに、近畿エリアの真ん中に位置していることから交通アクセスも良好で、近畿地方のほかの府県から通勤・通学で通いやすい地域となっています。
京都府の人口
京都府の政策企画部企画統計課の調査によると、京都府の推計人口は、令和2年8月1日現在で257万1,922人です。また、人口や世帯数は令和2年7月と比べ減少傾向にあると報告されています。
京都府で人気のエリア
京都府で観光および仕事の人気エリアについて解説します。どのような違いがあるのか確かめてみましょう。
観光で人気のエリア
観光においては、京都府全体が人気といっても差し支えのないほどに観光客からの需要があり、栄えているスポットが多くあります。以下ではその一例と特徴をご紹介します。
祇園、清水寺周辺
祇園や清水寺周辺は、歴史観光の中心地です。なかでも清水寺は世界遺産に登録されており、周囲では四季折々の風景が楽しめるため、一年をとおして観光客が訪れるスポットでもあります。清水寺周辺にある縁結びスポットなども有名です。
三条、四条、河原町周辺
京都府随一の繁華街であり、老舗の飲食店のほか新設したカフェなども楽しめるスポットです。休憩や、お座敷へ向かう舞妓さんを一目みるために訪れる観光客も多くいます。日本の情緒があふれる街並みを散策できる観光スポットです。
仕事で人気のエリア
京都府は古い歴史と、新旧が交わる日本文化の両方の顔をもつ地域です。そのため、さまざまな場所で、各エリアに適した求人があります。ここでは、4つのエリアにわけてどのような求人が多い傾向にあるのかを解説します。
京都駅周辺
京都駅周辺には、飲食店やアパレル店、大型ショッピングモール、家電量販店といったさまざまなジャンルのお店が集結しています。そのため、販売・受付などの接客業務や調理・洗い場・ホールスタッフなど飲食店関係の求人が多く見受けられます。
南部(京都市と宇治市)
京都府南部に位置する京都市や宇治市は、主に観光業で栄えている地域です。そのため、ホテル・土産品販売などの接客業を代表として、観光地をめぐるタクシードライバーやツアーガイドなどの求人も多く掲載されている傾向にあります。
中部(亀岡市)
京都府中部に位置している亀岡市は、農業が発展している地域です。季節ごとに京野菜・黒大豆・小豆などの生産・出荷が行われており、農作業関連の求人が多く掲載されています。農作業経験者や、機器の取り扱いに慣れている方にとっては魅力的でしょう。
北部(舞鶴市)
京都府北部に位置する舞鶴市には、定期コンテナ船が訪れる舞鶴湾があります。舞鶴湾は、国外へ商品を出荷・運搬するためのコンテナ航路となっており、倉庫内軽作業やピッキング、フォークリフト運転者の求人募集が多くみられます。
京都府で人気の職種
京都府は一年を通して観光客で賑わっている地域です。そのため、サービス・接客業や観光業が人気の職種となっています。また、国内の有名企業の本社があるため、オフィスワーク系の職種も人気が高い傾向にあります。
職種に特化した派遣会社や京都府に特化した派遣会社も
京都府内には複数の派遣会社があり、それにともなって求人数も多くなっています。オフィスワーク・福祉・技術・販売などに特化した派遣会社が多いのも特徴的です。あなたが希望している職種の求人数を多く保有している派遣会社や、京都府内で人気の職種に特化した派遣会社もあるため、ご自身にあった派遣会社に登録しましょう。
京都府の派遣の平均給与・時給
2020年10月時点のリクナビ派遣算出データによると、京都市内の派遣社員の平均時給は1,429円、京都市以外の平均時給は1,488円です。ここでは、職種ごとの時給についてご紹介します。
職種別の平均時給
事務・オフィスワーク系
平均時給:1,308円(京都市内)、1,326円(京都市以外)
営業系
平均時給:1,361円(京都市内)、1,481円(京都市以外)
IT・エンジニア系
平均時給:1,846円(京都市内)、1,822円(京都市以外)
クリエイティブ系
平均時給:1,431円(京都市内)、1,433円(京都市以外)
介護・福祉・医療系
平均時給:1,447円(京都市内)、1,400円(京都市以外)
保育・教育系
平均時給:1,311円(京都市内)、1,235円(京都市以外)
イベント・アミューズメント系
平均時給:1,400円(京都市内)
※参考:関西の求人情報 派遣のお仕事探しならリクナビ派遣(2020年10月時点)
京都府の有効求人倍率
京都府内の有効求人倍率は、以下のように推移しています。
・2020年1月時点:1.55倍
・2020年7月時点:1.04倍
2020年9月1日のNHK NEWS WEB(京都 NEWS WEB)の報告では、新型コロナウイルスの影響によって、有効求人倍率は7ヶ月連続で低下している傾向にあるといわれています。なお、有効求人倍率とは、「求職者ひとりに対して、どの程度求人があるか」を示すために算出した数値を指します。
京都府の雇用・就業促進の取り組み
京都府では、障がいのある方がやりがいを感じながら働ける環境づくりの促進を目的として、「京都府障がい者雇用促進・定着支援計画~はあとふるプラン~」に取り組んでいます。また、企業的農業経営体の活性化を目的として、「農業経営体育成事業」や「農企業者育成事業」、「農業経営体等女性雇用促進事業」を募集しています。
上記の一例をみるだけでも、京都府全体で雇用・就業促進の取り組みを行っていることがうかがえるでしょう。
事務職とは
事務職とは、各部署における事務などのサポートがメインの仕事です。
具体的には各種文書や資料の作成、帳票類の処理、データ入力、ファイリングや整理、電話や来客対応など、さまざまな業務を行うため、仕事内容は多岐にわたります。さらに、「事務職」といってもその種類は幅広くあります。以下で、代表的な事務職の種類についてご紹介します。
一般事務(OA事務)
一般事務は、「事務職」と呼ばれる仕事の中でもっとも基本的な役割を担う職種です。仕事内容は働く場所によって異なり、経理事務や貿易事務といった専門的な事務職ではない場合に一般事務と総称する場合が多いです。
具体的な仕事内容としては、書類作成や管理、データ入力、電話やメール対応、また来客対応や郵便物の仕分けなども含まれる場合があります。
経理事務
経理事務は、その名のとおり企業の経理に関する事務作業を担当します。主な仕事内容としては、入出金管理、伝票仕訳、帳簿作成、経費精算など幅広くあります。
企業によっては、予算編成から資金の調達、金融市場の情報収集・分析までを行う場合もあります。そのため、簿記や会計、法律に関する知識や資格が求められることもあるでしょう。
営業事務
営業事務は、事務職のなかでも営業職のサポートを行う仕事です。具体的な仕事内容としては、見積書や請求書の作成、商品管理、在庫管理、プレゼンテーション資料の作成などです。
営業職が商品やサービスを売る仕事であるのに対し、営業事務は売った商品やサービスを問題なくお客様の元へ届けるようにサポートする仕事といえます。
総務事務
総務事務は、企業の総務部で各部門が業務をスムーズに行えるように、社内環境を整えることが仕事です。具体的には、備品・設備の管理、オフィスの防犯や防災対策、社員の福利厚生手続きなどがあります。また、社内行事の企画運営や株主総会の運営準備などを行う場合もあります。
中小企業など規模の小さな企業では、後述する人事事務の仕事内容もあわせて行う場合があります。
人事事務
人事事務は、社員の採用・退職に関する手続きをはじめとする、組織の人材に関連した業務を担当します。主に、社員名簿の作成や管理、給与支給額の計算、勤怠状況の管理、雇用・労働保険の手続きなどに対応します。
人事事務として働くために必須の資格はありませんが、労働関連や社会保障の法令についての知識があると強みになります。
貿易事務
貿易事務は、商社やメーカーなどで輸出入に関連する仕事を担当します。代表的な業務には、通関に関する書類作成・申請、輸送手段の手配、関税や消費税の納付対応、商品の納入管理などになります。
一般的な事務処理のスキルに加えて、貿易に関する専門知識も必要なため、専門性の高い事務職です。
その他
事務職としては、そのほかにも次のような種類があります。
医療事務
病院や診療所で医療に関する事務処理対応を行います。具体的には、受付や会計の対応、レセプト(診療報酬明細書)の作成、カルテ整理などです。
法務事務
一般企業の法務部で各種契約書の作成やチェック、また、法律事務所などで弁護士のサポート業務を行います。ほかにも、規約の作成や改編、登記簿謄本や印鑑証明書の取得、知的財産権や特許に関する管理、問合わせ対応などが含まれます。
学校事務
小学校、中学校、高校、大学、専門学校などの学校法人、また、予備校、学習塾のような教育機関で働く事務職です。具体的には、学生の入退学や転校の手続き、奨学金の対応、教材の管理や発注などです。
秘書
企業の社長や役員、部門の長などのもとで、上司が本来の仕事に専念できるように、サポートを行う仕事です。具体的には、上司のスケジュール管理、来客や電話への対応、出張の手配やお礼状作成などです。日常業務に留まらず、突発的な業務も含まれます。
事務職の仕事内容
ここでは、事務職の仕事内容についてより詳しく解説します。
書類の作成や処理・管理
企業で用意されているフォーマットを使って、見積書や請求書、契約書など、さまざまな書類を作成します。作成した書類は処理し、重要な書類は管理や整理も行います。
データ入力
パソコンを使ってデータを入力することも、事務職の仕事のひとつです。入力するデータは企業によって異なります。例えば、自社の商品・サービスに関するデータ、クライアントや顧客の情報、社員の勤怠情報や個人情報など、多岐にわたります。
電話・メールの対応
企業の代表電話や部署宛にかかってきた電話の対応や、担当者への取り次ぎを行います。メールの対応も同様です。担当者が不在の場合や離席中の際は、代わりに用件を伺い対応を行う場合もあります。
来客対応
企業に来客があった場合は、担当者へ連絡し、会議室や応接室へ案内してお茶などを準備します。事前に来客対応をお願いされた場合は、打ち合わせや会議の準備などを行うことも事務職の仕事の一環です。
備品発注・管理
文房具や電球といった消耗品からパソコンやコピー機など、企業で使っている備品・機器の管理を行います。在庫がなくなったり、機器が故障したりした場合には、担当業者に発注・修理依頼を行うことも事務職の仕事です。
その他、各職種の業務
ここまでご紹介した仕事内容以外にも、事務職の種類や担当する業務によって、さまざまな仕事があります。
このように、一般事務以外の事務職では、一般的な事務の仕事内容に加えて、各事務職ごとの業務も担当するため、幅広い業務をこなす必要があります。
事務の仕事に就くには
事務職の仕事内容について解説しましたが、事務の仕事に就くためにはどうすればよいのでしょうか。事務職として働くための方法について解説します。
事務職に活かせる資格を取る
事務職に活かせる資格を取得していると、就職・転職活動の際にアピールになります。まだ何も資格を持っていない人は、資格取得を目指してみるとよいでしょう。事務職の仕事で役立つスキルを証明できる資格には、次のようなものがあります。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
ExcelやWordなどマイクロソフト製品の利用スキルを証明できる資格です。
日商PC検定
「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3分野のスキルを証明できる資格です。
日商簿記検定
経営活動を記録・計算・整理し、経営成績と財政状態を明らかにするスキルを証明できる資格です。
秘書検定
ビジネスマナーや接遇応対のスキルを証明できる資格です。
派遣会社に登録する
事務職の派遣社員として働きたい場合は、派遣会社に登録しましょう。派遣会社に登録すると、未経験OKの求人に応募ができたり、派遣会社のサポートが受けられます。
会社によっては、研修講座や資格取得支援が用意されている場合もあります。そのため、未経験からスキルアップがしやすかったり、ワークライフバランスが取りやすいなどのメリットもあります。パートやアルバイトに比べて給料がよいことも魅力でしょう。
事務職に必要なスキル
ここでは、事務職に必要なスキルについて4つ解説します。
基本的なビジネスマナー
さまざまな人を相手にする事務職は、基本的なビジネスマナーを身につけていることが必須です。具体的には、明るい挨拶や丁寧な応対、TPOに合わせた身だしなみ、時間管理能力などがあげられます。社会人として基本的なマナーや姿勢が求められます。
Word・ExcelなどのPCスキル
事務職はパソコンを使った仕事がほとんどです。WordやExcel、PowerPointなどのソフトが使えることや、ブラインドタッチなどのスキルが求められます。また、ITリテラシーをもっていることも、パソコンを扱う上で欠かせません。
コミュニケーション能力
クライアントや各部署など、多くの人と関わって働く事務職は、コミュニケーション能力も必須です。円滑に業務を遂行するために、報告・連絡・相談が大切なのはもちろん、気配りやサポートをする意識も重要です。
各職種に必要なスキル・資格
専門知識が必要な事務職の場合は、それぞれに応じたスキルや資格が必要になります。たとえば、経理事務であれば、簿記や会計に関するスキルが求められます。そのほか、貿易事務であれば、貿易に関する知識、英語の読み書きや会話のスキルも必要です。
法務事務は、法律に関する知識が必要なため「ビジネス実務法務検定」などの資格があるとよいでしょう。
事務職の平均給与
事務職の種類ごとの平均年収は、次のようになっています。 もちろん、都道府県別、業種別、年齢別によっても変わります。
一般事務 ・・・ 328万円
営業事務 ・・・ 327万円
貿易事務 ・・・ 368万円
秘書・受付 ・・・ 333万円
※参考:平均年収ランキング 最新版(167職種の平均年収/生涯賃金)転職ならdoda(デューダ)
事務職の求人倍率
2020年7月時点で、厚生労働省が発表している「職業別一般職業紹介状況」によると、事務的職業の有効求人倍率は0.35倍、一般事務では0.28倍です。有効求人倍率がどちらも1を下回っているため、求人数に対して求職者数が多く、就職が難しい状況であることがわかります。