派遣とは
派遣とは、派遣元である人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先となるほかの企業で就業する働き方です。派遣会社に登録すると、面談やスキルチェックなどが行われ、希望にあった仕事紹介を受けることができます。紹介を受けた企業での就業が決まった場合、派遣元である派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業での勤務が開始となります。
給与や福利厚生、サポートなどは派遣元から受けますが、業務に関する指示は派遣先から受けます。派遣社員の給与の多くは時給制で、派遣期間に制限があることも特徴です。派遣には、一般派遣と紹介予定派遣の2種類があり、それぞれ特徴があります。
一般派遣と紹介予定派遣の具体的な特徴は、次で詳しく解説します。
派遣の種類
同じ派遣でも、一般派遣と紹介予定派遣では異なる部分があります。ここでは、それぞれの違いについて解説します。
一般派遣
正社員や契約社員、アルバイトのように、就業先の会社と雇用契約を結ぶのではなく、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で就業する働き方が一般派遣です。派遣社員として働く人の多くが一般派遣で、派遣先が決まった時点で派遣会社との雇用契約が発生し、定められた派遣期間、派遣先企業で就業します。また、同派遣先の同組織で働ける期間は最長3年となっています。
紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣期間満了後に派遣先にて直接雇用となることを前提とした働き方です。派遣会社から紹介された派遣先企業と面接を行い、採用後に派遣会社と雇用契約を結んで、最長6ヶ月間派遣社員として就業します。派遣期間満了後、本人と派遣先が合意すれば直接雇用となります。
北海道の特徴
日本最大の面積を誇る北海道は、日本の北端に位置しています。アメリカやヨーロッパの主要都市とほぼ同緯度にあり、気候は冷涼低温で、台風や梅雨などの影響が少ないのが特徴です。その分、冬の積雪は多く、最高気温が氷点下となる地域もあります。産業は、広い土地を活かした大規模畑作農業や畜産が盛んです。
また、太平洋・日本海・オホーツク海と四方を海に囲まれており、水産資源も豊富です。北海道の道庁所在地である札幌市は、令和3年1月31日現在で190万人以上が住む政令指定都市です。札幌駅周辺は地下街が発達し、多くの人が集まる場所となっています。そのため、大手企業の本社や支社、営業所なども多く、札幌エリアは求人数が多い傾向にあります。派遣の仕事を含め、さまざまな業種・職種の求人が見つかるでしょう。
北海道の人口
令和3年1月31日現在における北海道の住民基本台帳人口は、5,225,272人であり、約82%が市部に住んでいます。また、札幌市の人口は1,960,831人で、北海道全体の約37%を占めています。
※参考:住民基本台帳人口・世帯数 北海道
北海道で人気のエリア
広大な北海道ではエリアごとに特徴があります。人気の観光エリアとエリアごとの求人特徴をご紹介します。
観光で人気のエリア
北海道は日本の国土の約22%を占めています。それほど広大な面積を誇る北海道には、多くの観光スポットがあり、国内外問わず多くの観光客が訪れています。ここでは、人気のある観光エリアの一例をご紹介します。
札幌エリア
札幌エリアの中心には、冬の風物詩となっている「さっぽろ雪まつり」の会場として有名な「大通公園」や、公園のシンボルとなっている「さっぽろテレビ塔」などがあります。また、国指定重要文化財の「札幌市時計台」、美しい夜景が楽しめる「藻岩山展望台」、「赤れんが庁舎」として知られる「北海道庁旧本庁舎」なども有名です。
函館エリア
函館エリアの観光地は、函館市内や近郊の景色が臨める「函館山展望台」、函館のランドマークともなっている「五稜郭公園」などがあります。また、1909年に建築された倉庫や石畳が特徴の「金森赤レンガ倉庫」は、1988年にショッピングモールを備えた施設に生まれ変わりました。こちらも函館の観光地として人気があります。
十勝・帯広エリア
十勝・帯広エリアは、植物性有機物を多く含んだモール湯が特徴の「十勝川温泉」、パラグライダーを楽しめる「パラグライディング十勝」、「十勝牧場」など、豊かな自然を活かした観光地が多くあります。また、十勝ワインを醸造する「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(池田ワイン城)」や鉄ソリを曳く世界唯一の競馬が見られる「ばんえい競馬」も人気です。
知床エリア
知床エリアの観光地といえば、「知床国立公園」や「知床五湖」などの世界遺産が有名です。「能取湖(のとろこ・のとりこ)」は、茎が丸く葉がない姿からサンゴに似ているサンゴ草(アッケシソウ)の群生地となっています。秋にサンゴ草が赤く色づく姿は息をのむほど美しいといわれ、多くの観光客が訪れています。
エリア別の求人の特徴
「札幌」「旭川」「苫小牧・帯広」「釧路・千歳・函館」の4つのエリアについて、求人特徴について解説します。
札幌エリア
北海道内で最も求人数が多いエリアです。札幌駅周辺には、大手企業の本社や支社、営業所などが集中しています。そのため、一般事務やSEのようなオフィスワークの求人も多いエリアです。また、派遣会社の登録センターも札幌駅周辺に集まっています。在来線や地下鉄、バスなどの交通手段が多いため、通勤にも便利なエリアです。
旭川エリア
札幌市に次ぐ人口を誇る旭川市を中心とした旭川エリアは、オフィスワークの求人数も豊富です。製造や倉庫内作業などの職種も多いため、希望に沿った仕事を見つけやすいでしょう。
苫小牧・帯広エリア
苫小牧・帯広エリアは、製造や倉庫内作業の仕事が多い傾向にあります。寮や社宅完備、マイカー通勤可能など、福利厚生が充実している仕事も多いため、条件がよく働きやすい仕事を探せるでしょう。
釧路・千歳・函館エリア
釧路・千歳・函館エリアはともに、一般事務・医療・介護・保険などの業界における求人が中心となります。釧路では、地元産業である漁業・畜産関連の仕事が多いです。千歳では、空港での仕事・各種工場での仕事が多くなります。函館では、各種工場の仕事のほか、IT関連の仕事も多いです。
北海道で人気の職種
北海道はその広大な敷地から、農業・酪農・水産加工業が盛んで、乳製品・洋菓子の製造も行われています。人気の職種としては、一般企業はもちろんのこと、観光関連、菓子製造・販売などがあります。UIターン転職に注力されたことで、IT系企業・ベンチャー企業などでの仕事も増えつつあります。
職種ごとに特化した派遣会社も多数存在
北海道内には、派遣会社の拠点も多く存在しています。また、一般事務のようなオフィスワーク以外にも、製造業や倉庫内作業など、業界や職種に特化した派遣会社もあります。自分の希望する職種の求人数が多い派遣会社を選んで登録すると、希望の仕事を見つけやすいでしょう。
北海道の派遣の平均給与・時給
北海道の道庁所在地で最も人口の多いのが札幌市です。札幌市の派遣社員の平均時給は1,217円です。職種別の時給についても解説します。
オフィスワーク・事務系
平均時給:1,174円(札幌市内)
営業・販売・サービス系
平均時給:1,194円(札幌市内)
IT・エンジニア・技術・建築系
平均時給:1,482円(札幌市内)
クリエイティブ系
平均時給:1,199円(札幌市内)
医療・介護・福祉・教育系
平均時給:1,240円(札幌市内)
その他(製造・物流・軽作業等)
平均時給:1,111円(札幌市内)
※参考:北海道の求人情報 派遣のお仕事探しならリクナビ派遣(2021年3月時点)
北海道の有効求人倍率
有効求人倍率とは、ハローワークで取り扱っている求人数を、求職者数で割った値のことです。たとえば、有効求人倍率0.5倍なら、5つの求人に対して求職者が10人いることになります。2020年の北海道の有効求人倍率は平均1.00倍で、求職者1人に対して1つの求人がある状態でした。
2020年4月以前は有効求人倍率1倍以上を保っていましたが、2020年4月以降は平均0.95倍と、1倍を割り込む状態が続いています。
北海道の雇用・就業促進の取り組み
北海道では、雇用・就業促進のために、若年者向けの「ジョブカフェ」、女性向けの「マザーズ・キャリアカフェ」、中高年齢者向けの「ジョブサロン北海道」、就職氷河期世代向けの支援メニューなど、さまざまな支援を行っています。
また、男性の育児休業取得に向けた「育休取得促進プロジェクト~みんなで子育て応援プロジェクト~」や、倒産やリストラによる大量離職者の発生に対応するための「緊急雇用対策プログラム」なども実施しています。
英語力を活かす仕事とは
グローバル化や海外進出する企業の増加にともない、英語力を活かした仕事が増えています。英語力のレベルによって就労可能な職種も変わりますが、就労を希望する際は、仕事の内容と必要な英語力を確認することが重要です。
英語力を活かすことができる主な職種
英語を活かせる仕事にはさまざまな種類があります。英語力を活かして働ける、主な職種を解説します。
翻訳
翻訳は、専門用語やスラングも理解できる高度な英語力が必要な専門的な職種です。小説などを翻訳する文芸(出版)翻訳、ビジネス文書や契約書などを翻訳する実務(産業)翻訳の2種類があります。
純粋な英語力だけでなく、小説やビジネス文書の内容を理解できるように、専門的な知識や文化的な背景まで知る必要がある場合もあります。
通訳
通訳は、国際会議の場で通訳を行う会議通訳や、ビジネス取引などの場で通訳を行うビジネス通訳、海外のスポーツ選手や芸能人の通訳を行うスポーツ・芸能通訳と、さまざまな場面で活躍する職種です。
発言者の話しを同時進行で訳す同時通訳と、発言者の発言をある程度の文節で区切ったあと、通訳者がまとめて訳す逐次通訳があり、いずれも高度な英語力が求められます。
貿易事務
海外との商取引にかかわり、輸出入取引にともなう事務の仕事が貿易事務です。主な業務内容は、英語でのメール対応や貿易書類などの文書作成、船積手続や輸送手続などの業務です。業界の専門知識が必要になるため、高いレベルの英語力が求められます。
英文経理・事務
英文経理・事務は、会社の決算や会計処理、税務処理、会計業務を英語で行います。特に近年は、グローバル展開している会社でのニーズが高くなっています。英文経理・事務は、日本の会計基準で行う場合と、外資系企業などは海外の会計基準で行う場合があります。会計に関する専門的な英語力も必要です。
セクレタリー(秘書)
上司のスケジュール調整や出張、来客対応や書類作成などをはじめ、上司が業務に専念できるよう多岐にわたる業務を行う職種です。外資系企業の秘書の場合、日本語を母国語としない上司や取引先とのやり取り、本社との会議の通訳などが業務となる場合があり、高い英語力が求められます。
ITエンジニア
IT関連の職種では英語力を求められることが多く、ITエンジニアでも最新技術を取り入れるために、英語力が求められます。
特にプロジェクトメンバーに母国語が英語の人がいる、派遣先の公用語が英語などの場合は、英語でコミュニケーションを取れることが求められます。
英語力を活かす仕事に就くには
英語力を活かす仕事に就くには、それぞれの職種で求められる英語力やスキルが異なります。ここでは、英語力を活かす仕事に就く具体的な方法を解説します。
希望の仕事で必要な英語力を習得する
英語力を活かす仕事でも、希望する職種によって求められる英語力は異なります。そのため、必要なレベルの英語力を確認し、習得することが重要です。英語力を身につけ、自身の能力を確認するには、継続的に学び続けることや、資格や試験を受け、点数やスコアで英語レベルを客観視することがおすすめです。
実践的な英語力を習得する
英語力を習得しても、ビジネスシーンで活用できなければ、業務に英語を活かせません。同僚やクライアントとスムーズにコミュニケーションを取れるように、ビジネスで実践的に使える英語力を習得しましょう。また、英語力を活かす仕事では、職種ごとに専門用語など専門的な英語力も必要です。
英語力を活かす仕事に必要なスキル
英語力を活かす仕事に就くには、英語力はもちろんのこと、ほかにも仕事に必要なスキルが求められます。英語力を活かす仕事に必要なふたつのスキルを解説します。
英語での読み書きのスキル
仕事で活かすために、基本的な英語の読み書きスキルは必須です。また、就きたい職種によっては専門的な知識、そして専門的な知識を理解できるだけの英語力が必要です。
仕事の応募要件には、TOEICレベルが記載されている場合も多くあります。希望する職種で求められている英語力の目安になるため、確認しておきましょう。
希望の職種での実務経験
英語力に加えて、希望職種での実務経験があると、即戦力として期待されるでしょう。企業は、英語力を求めているのではなく、英語で業務を遂行する力を求めています。そのため、すでにある程度の英語力がある場合には、まず実務経験を積める仕事を選ぶとよいでしょう。
英語力を活かす仕事に有利な資格
英語力を活かす仕事に就くには、英語力の目安となる英語の資格取得もおすすめです。英語力を活かす仕事に有利な4つの資格を解説します。
TOEIC
TOEICとは、日常生活やビジネスシーンに必要な英語力を測定するための世界共通のテストです。4種類あるTOEICのなかでも、英語力を活かす仕事を含めて、ビジネスでの評価基準として知られているのは、聞く・読む力を測る「Listening & Reading Test 」です。多くの会社が英語レベルをはかる基準としてTOEICを採用しています。
受験してスコアを取得しておくと、自身の英語力の目安を伝えることができるため、希望職種に応募する前に受験しておくことがおすすめです。
英検
英検は正式名称「実用英語技能検定」といい、日本では規模が最大級の英語に関する検定資格です。5級から1級まで、聞く・読む・書く・話すの4技能を測定します。英語レベルにあわせた級が設定されていますので、自分のレベルにあわせて、ステップアップしながら受験できるのが特徴です。
英語力を活かす仕事に就く場合には、英検2級以上を取得するのが望ましいでしょう。なお、英検準1級は、TOEIC800点以上のスコアに相当します。
日商ビジネス英語検定
日商(日本商工会議所)が運営する民間の英語検定試験で、企画書や報告書、電子メールの作成など、ビジネス英語のライティングスキルを重視しているのが特徴です。商社や貿易事務など、書面上で海外とのやり取りをする仕事に就きたい人に向いています。
3級から1級があり、1級を取得すると実務経験とコミュニケーション能力、英語のビジネススキルがあることを証明できます。
TOEFL
TOEFL(トーフル)は、日本を含め、非英語圏出身者を対象とした、外国語としての英語力をはかるテストです。特に大学や大学院など、アカデミックな分野での英語力を重視したテストであるため、留学や海外の大学へ進学する際の評価に使われています。
海外経験、留学経験を持っている場合は、TOEFLスコアを取得しておくと、英語を活かせる仕事に就く際にも強みになるでしょう。
英語力を活かした派遣の仕事の平均時給
英語力が必要な英文事務や経理の仕事は、一般的な事務、経理と比較して時給が高くなっています。英文事務の平均時給は1,763円で、一般的なOA事務の平均時給と比較すると、200円ほど高くなっています。なお、専門的で高度な英語力を求められる翻訳・通訳の平均時給は1,918円です。
※参考:関東の求人情報 派遣のお仕事探しならリクナビ派遣(2020年11月)